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ル・ボレアル号による10泊11日の南極クルーズの乗船記/旅行記です。特に印象に残ったのは、カヤックで氷海を漕いだこと、ペンギンの営巣地、パラダイス湾でアザラシを間近に見たゾディアック・クルーズ、ルメール海峡の氷河と氷山の絶景、ネコ港のクレバスだらけの氷河などです。
旅の計画
南極クルーズは、1年前には予約しておくのが普通らしいですが、今回は、とても慌ただしく決めました。
- 1/11: 計画中の南米旅行に南極クルーズを含めることを思い立ち、日程的に唯一可能(*1)だった「ル・ボレアル号で行く南極クルーズ10泊11日」を仮予約(*2)
- 1/13: クルーズを本予約、海外旅行保険(*3)申込
- 1/14: クルーズ料金支払、英文健康診断書(*4)の記入をホームドクターに依頼
- 1/15: クルーズ手配完了、乗船前の宿と航空券を予約
- 1/16: 乗船後の宿とバス・航空券を予約
- 1/17: 南極活動届出書(*5)を提出、英文健康診断書を提出
- 1/24: 南米旅行に出発
注(*)
- 予約済の南米クルーズの下船日2/15と、帰国に向けて南米を出発する3/12の間で、パタゴニア観光と南極クルーズの両方が日程的に可能で、空きがあるのは、今回のポナン社のクルーズのみでした。
- ポナン社直接予約だと航空券込みのクルーズ料金になるため、クルーズのみの最安料金を提示していたベストワンクルーズ代理店経由で予約
- ポナン社の南極クルーズでは海外旅行保険への加入が必須で、南米・南極への53日間の旅行をカバーできるのは、東京海上日動の海外旅行保険のみでした。
- ポナン社指定書式の英文健康診断書の提出が必須
- 日本人が南極に観光に行く場合、環境省指定書式の南極活動届出書の提出が必須
旅程(2020年)
今回のクルーズの航跡と上陸地点
南極クルーズでは、毎日の天候と氷の状況に応じて、船長とエクスペディション・リーダーが相談しながら、航路や上陸地点を決めていくため、クルーズ毎に異なる航程となります。
南極滞在中は天候に恵まれ、主だった景勝地をほとんど見ることができ、比較的ラッキーなクルーズでした。
日毎の旅行記
1日目 2/26(水) ウシュアイアで乗船
2日目 2/27(木) ウシュアイア出港→ビーグル水道→ドレーク海峡
3日目 2/28(金) ドレーク海峡を終日航海
4日目 2/29(土) ブラウン・ブラフ上陸、ウェッデル海クルーズ
[Brown Bluff, Weddell Sea]
5日目 3/1(日) ブリアルモント入り江クルーズ、ポータル・ポイント上陸
[Brialmont Cove, Portal Point]
6日目 3/2(月) ダモイ・ポイント上陸、パラダイス湾クルーズ
[Damoy Point, Paradise Bay]
7日目 3/3(火) ルメール海峡クルーズ、ポート・シャルコー上陸&カヤック、ピーターマン島上陸
[Lemaire Channel, Port Charcot, Peterman Island]
8日目 3/4(水) ネコ港上陸、ダンコ島上陸
[Neko Harbour, Danco Island]
9日目 3/5(木) ドレーク海峡を終日航海
10日目 3/6(金) ドレーク海峡→ビーグル水道→ウシュアイア帰港
11日目 3/7(土) ウシュアイアで下船
旅の総括
今回は日程的に選択の余地なくル・ボレアル号(Le Boreal)での10泊11日の南極クルーズになりましたが、結果的に、船も旅程もとても満足できました。
南極の景観や上陸地で体験できることが、とにかく素晴らしいため、あえて言うと、どの南極クルーズを選んでも、大きな満足を得られるだろうとも思います。
そのような観光的な側面での満足に加えて、南極クルーズならではの価値を感じたのは、自然の有り様への理解が深まっていくことです。
毎日のようにペンギンや氷山を眺めていると、単に可愛いとか美しいだけに留まらず、ガイドや講師を務めるナチュラリストの話から断片的な知識をもらい、なぜそうあるのかということが、おぼろげながら分かってきたりします。
極限の環境で生きているからこそ、例えばペンギンの1つ1つの振る舞いに無駄が入る余地はなく、全てに意味があることが、浮き彫りになりやすいのかもしれません。
そのような理解を通して、自然を尊ぶ気持ちが育つことが、南極クルーズを体験して分かった、得られた価値でした。