荒れるドレーク海峡で南極探検に備える

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強い西風が多少なりとも弱まるのを待っていたル・ボレアル号は、朝4時半頃ようやく、当初の予定より10時間以上遅れて、ウシュアイアを出港しました。

荒れるドレーク海峡でしっかり朝食を食べる

世界で一番荒れる海域であるドレーク海峡を2日間かけて横断し、南極に向かいます。

朝食中も、すぐ横のガラス窓に巨大な波が何度もバシャーンと打ちつけてきました。

揺れを低減するスタビライザーが付いていて、南極クルーズ船の中では比較的大きなル・ボレアル号ですが、さすがにこの荒れた海では、大きく揺れています。

幸い、食欲はあったので、朝食はたっぷり美味しくいただけました。

踏ん張ってワイルドライフ・ウォッチングに挑戦

8時からのワイルドライフ・ウォッチングに、昨晩支給されたパルカを着て、船尾デッキに行きました。

パルカ1枚着ていれば、寒いことはないし、しぶきで多少濡れても平気です。

船が揺れるので、足を踏ん張っていてもヨロヨロしてしまい、両手で双眼鏡を持って何かをじっと見るのは難しかったですが、Giant Petrel(フルマカモメ)という鳥が飛んでいるところを見ました。

このクルーズは、ナショナル・ジオグラフィック社がタイアップしていて、その専属カメラマン(↑写真中央左の赤い服の人)が乗船しており、ワイルドライフを撮影する際のコツなども教えてくれます。

ワイルドライフ・ウォッチングを切り上げて船室に戻ると、ちょうどル・ボレアル号と同型の姉妹船とすれ違うところでした。

南極エクスペディションに向けての準備

9時半からは、エクスペディション・チームの紹介と船長からの今後の行程の説明にシアターに集合しました。

エクスペディション・クルーズと称されるこの南極クルーズには、色々な分野の専門家であるナチュラリストが十数名乗っています。

エクスペディション・チームのリーダーは、天候や氷の状況に応じて、船長と一緒に南極のどこに行って何を見るかを決めます。

エクスペディション・チームのナチュラリスト達は、ゾディアック(エンジン付きの丈夫なゴムボート)を運転したり、その場に応じた生物学的・地学的な興味ある知識を授けてくれたりします。

南極での5日間は、毎日、ゾディアックで上陸したりクルーズしたりする時間があるのですが、希望者は、そのうちの1回をカヤックにあてることもできるので、我が家は、その説明会に参加してサインアップしました。

15時からは、ゾディアックの乗り方と、南極で活動する際の国際ルールの説明会がありました。これは参加必須です。

ルールというのは、例えば、一度に南極に上陸できるのは100名までという制限や、野生動物の5m以内に近づいてはならないなどです。

ブリッジを見学して海図をのぞく

嬉しいことにブリッジは基本的にいつでも見学OKとのことなので、17時過ぎに行ってみました。

自動操舵で思ったよりも閑散としています。

いろいろな機器を中心に見てまわりましたが、手書きで航路を書き入れた海図もありました。

海図の右下の島々が、南極の始まりであるサウス・シェトランド諸島で、南米最南端とその諸島の間が、世界で一番広く一番荒れるドレーク海峡です。

フランス船ならではの食を楽しむ

ル・ボレアル号は、フランスの船なので、食べ物には期待していました。

今日の昼食はシーフードで、エビやセビチェも美味しかったですが、特筆すべきは、パンの美味しさです。

ちゃんとパン焼き職人が乗船しているそうで、さすがです。

今日のディナーのメニューはこれでしたが、メインとデザートの間に「チーズ」と書いてあるのが、いかにもフランスです。

昨晩は注文しなかったのですが、今日はチーズも頼んでみると、デザートの前に3種類のチーズが出てきました。

南米クルーズの時は、アルコールは有料だったので頼まなかったのですが、今回は飲み放題なので、頼んだワインと一緒にいただくチーズは美味しかったです。

でも、波高7mもある荒れた海での食事なので、何度か慌ててワイングラスを捕まえることがありました。スープも危険なため無しでした。

船長によると、今夜半を過ぎると天候は回復してくるそうです。


おまけ:荒れるドレーク海峡の動画

日中、荒れるドレーク海峡をしばらく船室の窓から動画撮影してみました。これを見ているだけで酔いそうになる方もいるかもしれませんので、ご注意ください。

船長からのアナウンスによると、この時点で波高6mくらいでしたが、一番荒れた時で8mくらいありました。


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