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ステルス日食観察
特別な日の朝、早起きして日の出前にデッキに出ると、船はほぼ東に向かっていて、水平線付近には少し雲があるようです。
今日は、アメリカなどの一部地域(下図の細い帯)では皆既日食が、船が航行中のタヒチ島付近では日の出時点で太陽が半分くらい欠けている部分日食が、晴れていれば見られるのです。
日の出の時刻を過ぎましたが、水平線に太陽の一部かもしれない光点が見られたものの、雲があって太陽の形までは分かりません。
日の出後10分あまり経って、ようやく太陽が雲の上に姿を現し、日本から持ってきた日食メガネをかけてしっかり欠けた形を見ることができました。
スマホで写真に撮ると太陽は明る過ぎてつぶれてしまいましたが、その右の方のゴーストは欠けた太陽の形になっていておもしろいです。
同じ船に乗っていた人が撮った写真では、欠けた太陽の形がしっかり写っていました。
不思議なことに、「ステルス日食」とでも呼びたくなりますが、このクルーズの募集時の案内でも、前日の夜に配られた船内情報誌でも、当日の船内放送でも、日食のことには一切触れられず、知っている船客だけがデッキや展望ラウンジから観察していました。
ボラボラ島上陸
日食観察を終えて朝食を済ませると、今日寄港するボラボラ島はもう目前です。独特の形をした島の最高峰オテマヌ山の頂上には雲がかかり、ちょっと神秘的です。
ボラボラ島は、同じソシエテ諸島のタヒチ島の北西240kmにあり、どちらもフランス領ポリネシアの一部です。
この辺りは珊瑚礁がある島が多いですが、ボラボラ島も周囲をぐるりと珊瑚礁に囲まれていて、スピリット号はその唯一の切れ目を通って島に近づき・・・
島最大の街バイタペの沖に錨を降ろしました。
船のテンダーで上陸したバイタペの港は、大勢の観光客(船客)と、それを出迎える歓迎の演奏、現地ツアーの客引き、土産物屋でとても賑わっていました。
アクアサファリ体験
ボラボラ島では、まず船の寄港地ツアーの一つ「アクアサファリ」に参加しました。船のテンダーで上陸するや否や、すぐに別のボートに乗り換えて出発です。
ツアーガイドがホラ貝を吹き鳴らして、10名の参加者を歓迎してくれました。
ボートは、海の色がターコイズブルーに変わる珊瑚礁がある所まで行き、そこに係留されている別のボートに接舷しました。そちらに乗り移ると、ヘルメットが10個並んでいます。
アクアサファリというのは、このヘルメットを被って立ったままの格好で水深2〜3mの海の底までゆっくり降りて行き、船からホースで空気がヘルメットに送り込まれるので、普通に呼吸しながら海底を歩き回れる形のダイビングです。
ヘルメットの下から入れた手で鼻をつまんで耳抜きもできるし、思った以上に簡単で、水中散歩を楽しむことに集中できました。
ヘルメットに紐で結ばれている餌袋を手でもんで大量の魚たちを誘き寄せたり、色とりどりの珊瑚とその周りで泳いでいるトロピカルフィッシュに近づいて観察したり、すっごく楽しめて、あっという間の30分でした。(その様子を30秒の動画↓にまとめました。)
今回の南太平洋クルーズの寄港地ツアーの中で、後で振り返ってみると、これがベスト1でした。
トラックで島一周
船に一度戻って急いで着替えとランチを済ませ、午後は、バスに改造したトラックに乗って島を周遊する船の寄港地ツアーに参加しました。
バイタペの港から島を一周する道路を時計回りに出発してすぐ、道端では地元の果物が売られていました。
道が海岸沿いになると、どのボートも保管時には海面から持ち上げられているのに目を惹かれました。
最初に立ち寄った所では、色とりどりの染料が並んでいましたが・・・
そのいくつかに折りたたんだ布をつけて手染めのパレオを作るところを見学しました。
さらに海岸沿いに走る途中、ボラボラ島名物の水上コテージが並ぶリゾートホテルを何ヶ所かで見かけました。クルーズでなければこういう所に泊まる体験もしてみたいものです。
島の最南端にあるマティラビーチは、CNNが発表した「世界のビーチベスト50」で第1位を獲得したそうですが、これまでのクルーズ中に既にいくつも美しいビーチを見てきた後だったので、前もってグンと高められた期待値に応えるほど頭抜けたビーチという感じまでは、少なくとも見ただけではしませんでした。
最後にブラッディメアリーという名前のパブに寄りました。パブと言っても南国らしい雰囲気なのが素敵でした。
ガイドの英語も聞き取りやすかったし、それなりに島の概要や文化が分かって良いツアーでした。
テンダーで船に戻る途中、地元の人が漕ぐカヌーが競争を仕掛けてきて楽しめました。
今日から6日間連続で仏領ポリネシアの島々に寄港しますが、初日から充実した1日だったので、明日からますます楽しみです。