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COVID-19のパンデミックで2年半ほどアーサー・ランサム・クラブ(ARC)でもリアルなイベントができませんでしたが、我らがヤマネコ号である帆船Amiの「4/29〜5/ 8 駿河湾〜相模湾〜東京湾 10日間クルーズ」に、ARCからは5/2〜5の4日間に渡って計14名がそれぞれ乗りたい区間に日帰り参加することになりました。
これまで東京湾内を帆走したことはなかったので、我が家は三崎港から東京夢の島マリーナまで東京湾を縦断する区間への乗船を決め、ARCからは他にNPさん、たき火さんご夫妻、Tea Bayさんと計6名での参加です。
海鮮丼を食べてヤマネコ号に乗船
三崎港に8時集合なので、4時起き5時前出発で電車・バスを乗り継いで三崎港に7時半過ぎに着き、6時開店の三崎「魚市場食堂」に急いで向かって、海鮮丼とマグロ漬け丼を朝食にいただきました。
三崎港のうらりゲストバースに停泊していたヤマネコ号と溜キャプテンとは3年ぶりの再会です。
ARCが帆船Amiを乗っ取って「ヤマネコ号」にしちゃう時に海賊旗は欠かせません。今回は乗っ取り(貸切)ではありませんが、ちゃんと海賊旗も揚がりました。
三崎港を出て東京湾に向かう
8時半に出港し、まずは三浦半島と城ヶ島を結ぶ城ヶ島大橋をくぐり抜けます。
昔は砲台があった城ヶ島の安房崎を右手に見ながら、メンスル、フォアスル、3枚のヘッドスルを次々と上げていきました。
出港して1時間ほどで東京湾の入り口となる三浦半島南東端の剱崎の近くまで来ました。
岬を回り込んで東京湾を北上したいところですが、北寄りの風で向かい風となるため、もうしばらくは東寄りの進路を維持します。
三浦半島南東岸を北上:剱崎〜観音崎
私が舵を取る番になり、しばらくは房総半島の方に向かっていましたが、大型船が行き来する浦賀水道に入ってしまう前に、進路を北寄りに変えて、向かい風となるため3枚のヘッドスルは降ろしました。
その忙しい時に、東京湾を出て行く潜水艦をちょうど鋸山をバックに見ることができました。
この辺りは東京湾フェリーの航路でもあります。久里浜(三浦半島)を出たフェリーが前方を横切って行った後、金谷(房総半島)からのフェリーもやって来ました。
フェリーの前と後のどちらを横切る方がいいか、しばらく注視していましたが、フェリーの方が進路を少し南寄りに変えたので、こちらはそのまままっすぐ進みました。
観音崎の辺りまで北上して来たところで、横浜の母港を出てヤマネコ号を出迎えに来てくれたARC会員のCookie号とランデブーしました。
とても格好いいクルーザーでした。Tさん、ありがとうございます!
横須賀沖の忙しいランチタイム
観音崎灯台(写真↓左)と東京湾海上交通センター(写真↓右)を過ぎる辺りでランチタイムとなりました。
数年前にヤマネコ号によく乗っていた頃より、船上ランチの中身が進化していて美味しかったです。
横須賀沖の無人島の猿島を過ぎました。12年前にARCでイベントを行った場所です。
横須賀の軍港から出て来た艦船の一種でしょうか? ちょっと異様な感じの船を見かけました。(6/13追記:詳しい方から教えてもらいましたが、これは米海軍のスピアヘッド級遠征高速輸送艦ブランズウィック号だそうです。)
右手には第二海堡が見えています。この軍事遺構には上陸できるそうなので、いつかARCのイベントとして行ってみたいものです。
しばらく前から見えていた大きなタンカーとすれ違い、それなりの引き波に揺られました。
観音崎を過ぎた後、そのまま北に進むと浦賀水道に入ってしまうので、進路を西よりに変えないといけないのですが、ちょっと不十分だったようで、大型船航路の西縁を示す緑のブイのすぐそばを通りました。
いろいろなものを見たりかわしたりで忙しいランチタイムの最後には、フルーツのデザートも出て来ました。
やっぱりランチが進化しています。これは舵を取りながらホイホイと口に放りこめて食べやすかったです。
横浜沖〜羽田空港沖
横浜の南本牧埠頭の沖まで来たところで、父島に向かうおがさわら丸とすれ違いました。東京発は週に1〜2便しかないので見られてラッキーでした。
本牧埠頭の沖まで来ると、横浜のみなとみらい地区(写真↓左)と横浜ベイブリッジ(写真↓右)が、よく見えます。
風向きが変わったので、横帆のフォアトプスルを除く全ての帆を上げて、ヤマネコ号は美しい姿になりました。
遠くに見えた時から一体あれは何だろうと思いつつ近づいた施設は、タンカーを横付けして海上で原油の荷降ろしをするためのものでしょうか。
羽田空港沖から東京湾アクアラインの風の塔(写真↓右)とアクアブリッジ(写真↓左)を望みました。
独特の形をした東京ゲートブリッジと東京スカイツリーがちょうど重なるタイミングでパチリ。
伊豆大島に向かうウサギとカメ
今日はさすがに東京湾という感じで、いろいろな船に出会いましたが、その極め付きは・・・
伊豆大島の波浮港の防波堤の一部となる巨大コンクリートの塊を亀のようにノロノロと引くタグボートでした。後にはさらに2隻のタグボートがエスコートに付いています。あんな速度で、いったいいつになったら伊豆大島に着くのでしょうか。
それとは対照的に、反対側の岸寄りを水中翼船がすごいスピードで伊豆大島に向かって行きました。
まるでウサギとカメですが、これでは全く勝負になりません。
クレオパトラとランデブー
東京夢の島マリーナからヤマネコ号と同じ2本マストの帆船クレオパトラ号が出迎えに来てくれました。
ほぼ同じ大きさですが、ヤマネコ号はトプスルスクーナー型、クレオパトラ号は後ろのマストの方が低いケッチ型です。
しばらく並走したり、追いかけっこしたりして2隻で戯れました。その間、ヤマネコ号の船上では、7枚のセールを連続ジャイブしたりタックしたり大忙しでした。
その後、午後のティータイムとなり、ヨーグルトと差し入れのマドレーヌやクッキーをいただいて、一息つきました。
ディズニーランド沖〜荒川河口
東京ゲートブリッジの近くまで来ると、ディズニーランドのビッグサンダーマウンテンや、ディズニーシーのS.S.コロンビア号がよく見えます。
その辺りには、巨大な自動車運搬船が錨泊していました。
この辺りの海に慣れているクレオパトラ号の先導で荒川河口橋にアプローチ。ゴールは間近です。
通れると分かっていても、マストが橋桁に引っかからないか、ちょっとスリリングです。
橋をくぐってすぐに左に直角に曲がって、東京夢の島マリーナに向かいます。その時、マリーナから出て来た1隻のモーターボートが、先導するクレオパトラ号とヤマネコ号の間を猛スピードで突っ切っていきました。
ARCではこのような船のことを愛読書に出てくる船にちなんで「マーゴレッタ号」と呼んでいます。
水の上でも片側交互通行はあって、両側に交通管制をするために留まっている船からの合図を受けて、狭い水路と水門を通り抜けていきます。
巨大な東京夢の島マリーナに入ってからも、指示されたビジターバースを探してぐるーっとマリーナ内を大回りする間、緊張が続きます。
ようやく目指す浮桟橋が見つかりました。
8時間の長い航海を終えて、予定通り16時半に無事に着岸しました。
マリーナでは、ARCから明後日乗船予定の黒丸さん、明日乗船予定のMinnowさん、久しぶりにヤマネコ号を見たくなった天文台さんが出迎えてくれました。
久しぶりの帆船クルーズを満喫した1日でした。