フエゴ島を縦断し、マゼラン海峡を渡る

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今日は、アルゼンチンのウシュアイアから、バスに11時間乗って、チリのプンタ・アレーナスまで移動します。

アンデス山脈をバスで越える

バスは、朝9時に、ほぼ満席で、ウシュアイアを出発しました。スマホを充電できるUSBポートもあって、なかなか快適なバスです。

昨日歩いたエスメラルダ湖辺りの山は、アンデス山脈の最南端になります。昨日も苦労した泥炭の湿地が、国道沿いにも広がっていました。

アンデス山脈の南端の峠を越えると、眼下に美しいエスコンディド湖が、静かに横たわっていました。

2時間くらいで一度休憩があり、食べ物・飲み物・お菓子を買って、残っていたアルゼンチン・ペソを使い切りました。

チリ国境で犬にクンクンされる

14時過ぎに、フエゴ島内にあるアルゼンチンからチリへの国境まで来ました。

アルゼンチン側の出国は、窓口でパスポートにスタンプをもらうだけでしたが、チリ側の入国では、手荷物を全部持ってバスを降りるように言われました。

最初に並んで、新型コロナウイルスに関する書類に記入したものとパスポートを渡してスタンプをもらった後、もう一度、荷物検査のために並びました。

荷物を床に置くようにと言われ、どういう意味があるのだろうと思いつつ、荷物を下ろして待っていると、犬が現れて、1つ1つの臭いを嗅ぎ回って、怪しいのがあると、税関係員がそれを横に取り分けていきました。

私と妻の荷物も何度も嗅いでいたけど、2人とも無事にパス。数名の人は残って手荷物の検査をされていましたが、じきに皆バスに戻って来て、出発しました。

大草原を走り、グアナコの謎が解ける

バスは、草原が延々と広がる中をひたすら走って、フエゴ島を縦断しています。

車道と草原の間には、柵があるのですが、たまに柵の道路側にグアナコがいることがありました。

草原に戻るためには、どこにあるか分からない柵の切れ目まで、延々と道路沿いに歩かないといけないだろうに、どうしてわざわざ道路側にいるのだろうと不思議に思っていました。

写真には撮り損ねましたが、その謎が解けました。なんと、グアナコは、この程度の柵は、軽々と飛び越えていたのです。

マゼラン海峡をフェリーで渡る

いよいよ今日のメインイベントであるマゼラン海峡まで来ました。海峡が一番狭くなった所をフェリーで渡ります。

赤いフェリーが接岸し、タンクローリーが1台、船に乗り込みました。

驚いたことに、車の出し入れをしている間も、もやい綱は一切使わず、船のエンジンやスラスターを調整するだけで船を留めています。

次は、このバスかと思ったら、なぜか、1台乗せただけでフェリーは出航してしまいました。

次にやって来た青いフェリーからは、車が何台も降りて来たけど、最後の1台のトラックがどうも動かなくなってしまったようです。

またこれで遅れそうだと思っていたら、そのトラックを船に残したまま、まわりの乗用車もバスも乗船を始めました。

置き去りにされた客は歩いてフェリーに乗ることになりましたが、それはそれで面白いです。

バスは、船に乗り込む時に底を擦りやすいので、乗客を降ろして軽くしたようです。

太平洋側から大西洋側への潮流がきついようで、どの船も太平洋側に舳先を向けて横滑りするように渡って行くのがおもしろいです。

昔、マゼランは、海図の無いここを、この先は果たして太平洋につながっているのだろうかとの期待と共に、風と潮流を読みながら進んで行ったのです。

太平洋側を眺めると、1番狭いと言っても4〜5kmの幅のある海峡の両側に薄く陸地が見えて、同じ眺めをマゼランも見ていたのだと思うと、感慨深かったです。

途中で白と黒のシャチっぽい模様の小さなイルカのようなのが海面から現れたのを妻が見つけ、写真は撮り損なったけど、とても珍しいものを見た感じがしました。

対岸にほぼ着きましたが、先に出た赤いフェリーが1台だけのタンクローリーを降ろし、たくさんのタンクローリーを積む間、こんなに岸に近くて大丈夫なのと思うような所に留まっていました。

どうも赤いフェリーはタンクローリー専用、青いフェリーはそれ以外を載せているようです。

非常に多くのタンクローリーがフエゴ島に渡って行くのに驚きましたが、考えてみると、あれだけたくさんの南極クルーズ船が、ウシュアイアで給油して出入港しているわけだから、これだけお金をかけて燃料を運んでいるのが、南極クルーズ料金が高い一因かなと思いました。

サプライズありのプンタ・アレーナスに到着

プンタ・アレーナスの街に近付くと、海岸には造船所やたくさんの船もあり、海運の街という感じがします。

その中で、あっと驚いたことに、南極クルーズを終えて3日前に下船したばかりのル・ボレアル号が接岸していました。

造船所に近かったから、何かメンテナンス作業をしていたのかもしれません。何かと今回は乗った船に再会できる縁があって嬉しいです。

20時少し前に、プンタ・アレーナスに到着しました。

1番最初に積んだので最後に出てきたスーツケースを受け取って、予約しておいた近くのホテルまで歩いて行きました。

夕食は、地球の歩き方に載っていたLa Lunaというお店に行ってみました。壁一面にボトルが並んでいたり、天井にテーブルと椅子が逆さまに取り付けてあったりして、内装がおもしろいです。

今回の旅行で食べ損なっていたカニも頼んだせいか、チリの物価はやはり高い感じで、コスパは良くなかったけど、満腹になりました。

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