東海道歩きのまとめ(10問10答)

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7/2から12/5までの約5ヶ月間、週末を利用して33日間かけて、全長488kmの旧東海道を東京の日本橋から53の宿場を経て京都の三条大橋まで、夫婦で歩きました。そのまとめです。

Q1. 実際にどれだけ歩いたのですか?

実際に歩いたルートをiPhoneのRunKeeperアプリで記録したのが地図の青線です。

名古屋あたりで線が切れている所は、当時「七里の渡し」と呼ばれた海路の部分です。
あちこち寄り道するので、合計593km歩きました。地図の青線には含めていませんが、旧東海道のその日歩く区間のスタート/ゴール地点と自宅やホテルの間の移動で歩いた分を加えると、合計719kmになります。

Q2. 1日にどれだけ歩くのですか?

1日平均18km歩きました。最短は、箱根の登りの後半を逆向きに歩いた箱根峠〜畑宿の8km、最長は、舞阪宿から浜名湖を渡って二川宿までの24kmでした。地図上の行程で15kmのところを実際に歩くと2割強増えて18〜20kmになるので、それくらいを目安に計画を立てるようにしました。
20kmくらいまでであれば、翌日続けて歩いても大丈夫なことも分かりました。
午前中は元気ですが、午後になると足腰が疲れてきます。たまに、そのうちに疲れを感じなくなって、いつまでも歩けそうな気分になることもありました。
最初、日帰りで歩いていた頃は、遠くなって泊りがけで歩くようになれば、1日にもっと距離がかせげるかと思っていたのですが、足腰の疲れから20kmくらいが限度なので、結局、日帰りか泊りがけかで歩く距離は変わりませんでした。

Q3. 旧東海道の地図やガイドブックは何を利用しましたか?

iPhoneの「東海道五十三次」というアプリで、旧東海道の道、宿場の始まりと終わり、本陣や一里塚の位置、東海道五十三次の浮世絵に描かれた場所、少数ですが主な見どころが、現在地と共に分かるので、とても便利でした。それ以外の見どころは、「人力」という旧街道紹介サイトを、歩きながらiPhoneから開いて参考にしていました。

Q4. 歩いてみて分かったことはありますか?

昔の人は、我が家の半分の日数で歩くのが一般的だったそうで、その健脚ぶりには驚きました。
地形と道の関係もとても納得できました。伊豆をはじめ半島が海に突き出ているところは、海沿いに遠回りせずに行こうと思うと、峠を越えないといけないし、大井川河口のような扇状地が干拓される前にできた道は山際に沿っているし、薩埵峠のように山が海岸まで迫っている所は、崖の中腹に道があるし、旧東海道の難所と呼ばれるところはどこも、それなりの理由があるのがよく分かりました。
広重が東海道五十三次の浮世絵に描いた場所が、ほとんど残っていなかったり、そもそも最初からかなりデフォルメされている絵も多いということも分かりました。
それから、お昼の定食についてくる味噌汁が、鈴鹿峠を越えた途端に赤だしから白味噌に変わったのも面白かったです。

Q5. どこが一番良かったですか?

五十三次の宿場の中で、古い建物と街並みの雰囲気が一番よく残っていたのは、三重県の関宿でした。
景色が印象的だったのは、静岡県の由比宿から興津宿に行く時に越える薩埵峠で、残念ながら富士山は雲の中だったのですが、それでも崖の中腹のようなところから駿河湾を見渡すのは絶景でした。
それ以外に印象的だったのは、静岡県の金谷宿から日坂宿までの区間で、登ったり下ったりで大変ですが、茶畑が両側に広がる台地の上を歩くのは気分が良くて、その後、妻がこれまでの人生で一番急な坂道だったと言うくらいの急坂を下りました。

Q6. どこが一番大変でしたか?

箱根は、1日では登りきれず、結局、登りの後半の区間は逆向きに歩いちゃいました。
箱根に次いで標高差のある三重県の鈴鹿峠越えも、急坂が下りとなるように逆向きに歩きましたが、この日は一日中雨の中を歩き、お昼を食べられるお店もなかったので、一番大変な日でした。
意外だったのは、石畳の大変さです。旧東海道らしい石畳の道は、雰囲気としては素晴らしいのですが、かなり滑りやすくて、歩くのに気を使いました。

Q7. 歩く度に遠くなるのに、そこまでどうやって行ったのですか?

東京に住んでいるので、箱根までは電車・バスで日帰りで、静岡県の前半は車で日帰りで、静岡県の後半は車で1泊で、愛知県以降は車で2〜3泊で行きました。最後の方は、車で行き帰りそれぞれ5〜6時間ドライブしましたが、慣れたのと、妻と交代で運転できるので、何とかなりました。
歩き始めた頃は、最後の方は新幹線を利用することになるかと思っていましたが、新幹線は高いし、歩く間に必要ない荷物を車に置いておけたり、駅から遠い所にあるホテルやレストランを利用できる便利さから、結局、最後まで車を利用することになりました。

Q8. 泊まる所はどのように決めていたのですか?

旧東海道の雰囲気が残る旅籠とかがあれば泊まりたかったですが、基本的には、歩く区間のスタートかゴールに近い所で一番安いホテルを探して、あらかじめ予約して行きました。初めて泊りがけで行く時は、由比宿で地魚料理が夕食に出てくる宿を、それ自体楽しむために利用しましたが、その後は、経済性優先で、無料朝食付きビジネスホテルの利用が多かったです。

Q9. どれくらい費用がかかりましたか?

全て2人合計の費用です。電車・バスの運賃が4.2万円、高速料金が9.1万円、ガソリン代が4.6万円、駐車料金が8千円、宿泊費が10.5万円で、合計29.3万円、1人1日あたり4,440円+飲食費でした。
海外旅行に1回行くよりは安く、5ヶ月間に渡って週末がとても楽しみで充実したものになり、最後に大きな達成感を得られたので、コストパフォーマンス的にはとてもお得な旅だったと思います。

Q10. 次はどこを歩きますか?

自宅の近くを通っている鎌倉街道を最初から最後まで歩いたり、多摩川などを源流から河口まで歩いたりは、週末に日帰りで気軽に楽しめそうです。熊野古道もいつか歩いてみたい道です。
それ以外にも、どこか旅先で、普通は鉄道や車で行くようなところを、景色が良いから歩いてみようということが、これまでよりずっと気軽に、何時間くらいかかるかを精度良く予想して実行できるようになったので、それだけ旅の楽しみ方が広がったと感じています。

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