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今日は、旧東海道の難所、小田原宿から箱根宿までの区間の後半を歩きます。前半の畑宿までは標高差約300m余りの登りでしたが、後半はもっと急峻な坂を標高差400mほど登ることになります。連日の猛暑の中なので無理はせずに、この区間は逆に下り道として歩くことにしました。これまでは電車でしたが、今回は初めて車で出かけて、箱根峠に駐車した後、狭石坂(はさみいしさか)と呼ばれる急坂を芦ノ湖まで下りて、箱根宿の関所跡まで来ました。
箱根関所の先は、箱根旧街道杉並木の道です。まだ紫陽花が咲いていました。木陰で涼しく歩きやすかったです。徳川幕府が旅人に木陰を与えようと両側に植えたそうですが、今でも立派にその役割をはたしてくれています。
杉並木が終わり、芦ノ湖を離れて権現坂という坂道を登りますが、その後は、ひたすら下り坂です。石畳道が多くて、苔むした石はハイキングシューズでもよく滑りました。むしろこういう所はワラジの方が滑らないのではないかと思います。箱根宿と畑宿の境の目印の大岩がある天ヶ石坂(てんがいしざか)という急坂を下り、石畳道が写真のようにくねくねと続きます。
秀吉の小田原攻めの時に、北条側が石を落として撃退し城を見ずに引き返したことから「城見ず坂」と言われ、今は白水坂(しろみずざか)と呼ばれているところを下り、お腹が空いた頃、甘酒茶屋に着きました。400年余りの歴史のある茶屋で、力餅と味噌おでんのお昼にしました。
甘酒茶屋からゆるやかな追込坂(おいこみざか)を下ると見晴し茶屋です。樫の木平という見晴らしの良い所にあり、相模湾が望めました。
見晴し茶屋から畑宿までは、これまでで一番険しい樫木坂を下ります。国道もヘアピンカーブが続く10%勾配の七曲坂になっている所で、旧街道は階段で近道する所もありました。国道の上を橋で渡る所は、何と橋の上まで石畳が敷かれています。下を車で通り過ぎる時は、単なる歩道橋かと思っていましたが、こんなに素敵な橋だったとは知りませんでした。
昔の人のように、小田原宿から1日で箱根宿まで箱根の山を登ることはできませんでしたが、その大変さは体で感じることができました。