陸から海から三陸海岸

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シルバーウィーク後半は、三陸海岸を北から南へ見ていきました。まずは北三陸の景勝地「北山崎」の海岸です。サッパ船で巡るのを前日に予約しておいたのですが、寸前になって風と波が強くなってきたため中止とのこと。陸から見てもこんなに荒々しい海岸なので、小船で近づいたら迫力があったことと思います。

昨晩泊まった民宿の食事が期待はずれだったので、お昼は、上の方は普通の海鮮丼、途中で海苔を巻いてネギトロ巻き、その下からウニいちご煮が出てくる「5地層丼」という面白い丼をいただきました。

次は、遊覧船に乗って浄土ヶ浜の海岸を巡りました。すごい数のウミネコ達が餌目当てにずっと船について来るので、景色と鳥の両方を楽しめました。

船は、両側に岩礁のある狭い水路を抜けたりして、なかなかスリルがありました。4年半前の大津波の時は、ちょうど接岸して観光客を降ろした後だったので、船長・機関長含め6名が沖にこの船を出して、船を守れたそうです。

もっと浄土ヶ浜でゆっくりして遊歩道も歩きたかったのですが、連休なので手頃な空きのある宿がなく、その晩は、さらに南へ3時間ドライブして大船渡に泊まりました。
シルバーウィーク最後の日は、3年半前(地震の1年後)に訪れた大船渡〜陸前高田気仙沼〜南三陸を再訪しながら、三陸海岸を奥松島まで南下しました。
まずは、陸前高田の何かと話題になった「奇跡の一本松」です。

海岸沿いは未だに復興に向けての工事が行われています。3年半前と比べて変わったのは、上の写真にあるような大規模な盛土や、前日に三陸鉄道北リアス線の車窓から撮った下の写真にあるような防潮堤の工事があちこちでされていることでした。

東京に住んでいて伝わってくる情報だけだと、守るべき家や施設が無い所でも防潮堤が造られていたり、無粋な防潮堤で景観も台無しになるし海が見えないことによる危険が言われていたりします。しかし、今回その場に行ってみて感じたのは、そういうものがあることによる一定の安心感です。税金の無駄遣いなのか、復興に向けて必要なことなのか、その辺りのバランスの微妙なところは、やはり現地を見て自分で感じる必要があるなと思いました。
宮城県に入り唐桑半島を巡りましたが、最初に訪れたのは「大理石海岸」です。白っぽい岩が大理石層で、東京日本橋三越本店正面玄関の左右ライオン台座の大理石礎石は、ここから運ばれたものだと言われているそうです。

唐桑半島で一番の見所「巨釜・半造」と半島の突端の御崎の遊歩道を歩いて、海岸めぐりをしました。景色も抜群だし、特に巨釜は歩くのにとても気持ちの良い道でした。御崎のビジターセンターにある津波体験館に入り、映像、音響、振動、送風を組み合わせた津波の擬似体験をしました。

お昼は、3年半前にも訪れた気仙沼の復興屋台村でいただきました。気仙沼市街は、3年半前に比べると落ち着いた感じでしたが、空き地や住めなくなった家が、まだあちこちにあります。

南三陸町の海岸沿いも、大規模な盛土をする復興工事が行われていました。三陸海岸から少し山手側には、高速道路「三陸道」が建設中で、まだ細切れですが供用されている一部の区間を利用しました。これがつながると、随分と便利・安心なことと思います。また、三陸海岸沿いの国道には、津波による浸水区間の始まりと終わりを示す標識が細かく設置されていました。後世に津波危険地域を伝えるのにとても分かりやすい仕組みだと思いました。一部区間では、非浸水地域まで前方・後方それぞれ何メートルかを示す標識もあり、いざという時に逃げる方向が、地元の人でなくてもよく分かります。

シルバーウィーク旅行の締めくくりは、奥松島の嵯峨渓遊覧船です。最終便にギリギリ間に合って、しかもキャンペーンでほぼ半額になり、乗ったのは我が家だけの貸切状態でした。

嵯峨渓と言っても渓谷ではなくて海岸ですが、岩手県の猊鼻渓、大分県の耶馬渓と並ぶ日本三大渓の一つとのことです。

海岸線がすごく入り組んでいて、陸側から歩いて巡るのは無理そうな所を、船から丹念に見ることができました。どちらかと言うと逆光で、午前中の方が良く見えそうでしたが、夕日に照らされた岩が輝いていてきれいでした。

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コメント

  1. かおる より:

    私は宮古から北上しました。
    サッパ船、乗りましたよ!と自慢(笑)
    母との二人旅の予定が、母の足が悪くなり、一人旅に変更したので、船も一人。
    「一人で乗りに来た人は初めてだ!」と喜ばれました。
    その後、北山崎に行くのに「タクシーは高いなあ」と悩んでいたら、サッパ船の関係者が「帰り道だから」と乗せてくれました。

  2. Coot より:

    サッパ船に乗れたのも、地元の方のご好意に触れたのも良かったですね。三陸海岸めぐりは、時間が足りなくてまだ見てないところもたくさんあるので、またいつか行こうと思ってます。

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