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朝一番に、3連泊した快適だけど一般的なホテル(写真左)を出て、多少不便だけどサファヴィー朝時代の伝統的な建物のホテル(写真右)に移った。雰囲気のある小さなホテルが、今回のイラン旅行の最後の宿だ。
今日は丸一日バザール歩き。その北東端にあるジャーメ寺院がスタートだ。
エスファハンで一番古い寺院なので、色鮮やかなタイル張りはあまり無く、埃っぽく暗い所もあるけど、渋い味わいもある。
どう見ても真っ直ぐではない柱もいくつか見かけた。
中央広場に面する4つの建物の中で南西側のはタイル模様が美しい。
北西側の建物の中は、逆にモノトーンの部屋ながら、繊細なレリーフのミフラブも目がチラチラするような天井模様も素晴らしかった。
北東側の建物に一番大きなドームがある。修復作業中で、日干煉瓦を泥だけで貼り付けている様子を見ると、よくこれで天井が崩れないものだと思った。
寺院を出てバザールをエマーム広場に向かって歩き始めてまもなく、ずっと探していたベリヤーニという屋台料理を食べられるお店を見つけ、ちょっと早めの昼食。美味しくお腹いっぱいになった。
エスファハンで最も高いメナーレを見て、これで見たかった観光対象は全て制覇。
後は買い物モードでひたすらバザール歩き。エマーム広場から北東側に広がるバザールの中には、金銀宝飾品店ばかりのエリアがあった。ここだけ真剣な顔をした人ばかりの独特の雰囲気を放っていた。経済制裁でリアルが暴落し、先が見えない中、財産を金銀に替えておく人が多いのかもしれない。
歩き疲れて、お茶のついでにトイレもと思ったら、お店になくて、聞いて連れて行ってもらった所は鍵が閉まっている。さらに親切な人に案内されて、とあるお店の人が鍵を取り出して、近くの別のトイレを開けてくれた。どういう仕組みになっているのか全く分からないままだけど、とにかくイラン人は親切な人が多い。
お茶にしたのは、水タバコをプカプカふかしている人がたくさんいるお店。男性専用の大きな部屋と、女性・女性連れ・家族連れ用の小さな部屋に分かれていた。味見をさせてもらったけど、匂いを楽しむものみたいで、私のように極端に匂いに鈍感な人には向かないかも。
結局一番面白いのはエマーム広場をぐるりと囲むバザールで、特に南東端付近の職人街は工芸品が造られる過程を見られて良かった。
歩いている間に、どんどん天気が悪くなって、土砂降りの雨に、雷鳴、とうとう雹まで降り出した。馬車の馬もバザールの屋根の下に避難し、床に溜まった水をかき出すお店も。でも、バザール歩きには大した影響なく、そのうちに雨も上がったので、もう一度馬車に乗った。前回は撮影に忙しかったので、今回は純粋に馬車を楽しんだ。
とことんこだわって探したミーナーカーリー(銅の皿や器にエナメルで繊細で美しい装飾をしたイランの伝統工芸品)も良いのが見つかって、我が家のリビングの食器棚に飾るのをゲットできた。
タクシーで一旦ホテルに戻り、最後の晩餐に、昨晩見つけたハンマーム型のレストランへ歩いて行った。宮殿のような装飾、服装も雰囲気満点の給仕、豪華で美味な食事で、旅の締めくくりにふさわしいディナーとなった。旅行中の食事で最高の金額になったけど、それでも1人1000円しないのだ。
遅くなってホテルに戻り、出してくれたお茶を、花の綺麗な庭に面したテラスでいただきながら、旅の最後の夜を味わった。