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ラクダに乗ってサハラ砂漠へ
塩湖を渡り、サハラ砂漠への入り口となるドゥーズに16時少し前に到着しました。
昨日電話で申し込んだ砂漠でのキャンプツアーの集合場所に行くと、今夜のツアーは日本人男性のK氏と我が家の3名だけでした。
これからラクダに乗ってサハラ砂漠の中へ入って行き、一晩を過ごします。
ラクダは最初立ち上がる時と、降りるのに座らせる時に大きく前後に傾くので、しっかり掴まっていないと振り落とされてしまいます。
冷えたミネラルウォーターを1本ずつもらい、手荷物はラクダの鞍に引っ掛けて、出発。
遥か昔にイスラエルで観光記念写真用のラクダに乗ったことはありますが、たいして歩き回らなかったので、本格的にラクダに乗るのは今回が初めてです。
ラクダはスタスタ歩くけれど、上に乗ってる人間はラクダの歩調に合わせてワッサワッサと体が揺れて、 乗馬とはだいぶ乗り心地が違います。
ラクダたちは途中ほんの僅かに生えている植物(アガヤ)を歩きながら引きちぎって食べてましたが、あんなに乾燥してチクチクした植物を食べて美味しいのでしょうか。
30分ほど進んだ何も無い砂丘の真ん中でラクダから下ろされました。休憩です。
ガイドのおじさんは急にかがみこんでお祈りを始めました。イスラム教徒の夕方のお祈りの時間だったのです。
また出発。
妻の乗ったラクダは顔が痒いのか、前を歩く私のラクダに近寄ってこすりつけたりするので、なかなか安心して乗ってられません。
靴は塩湖でぬかるみにはまって塩混じりの泥がついていたせいか、後ろのラクダに靴を何度か舐められました。その度にラクダの顔を足でグイと押しやったり…。
出発から2時間弱でキャンプサイトに到着しました。
ラクダは3頭とも我々を降ろすやいなやグデ~っと横になって汗を砂で拭うような動作を始めました。お疲れ様!
キャンプサイトに常駐しているムスタファさんが、ミントティーでもてなしてくれました。
立派なトイレが恐怖のトイレになる
大人数のキャンプにも対応できる大きな小屋、テント、井戸、洋式トイレまであって、砂漠の中で一晩過ごすのに十分過ぎるほどです。
ところが、世にも恐ろしい恐怖のトイレだったのです。
トイレの入り口の左側50cmくらいの窪みに小さな穴が開いていて、そこにナントS字に体をくねらせた毒ヘビがコチラを睨んでいます。
私がヘビを追い払う為に石を投げて穴を塞ごうとしたら、怒ったヘビが体に似合わず大きなシュ~ッという音を立てて、こともあろうにトイレの土台の下へジャンプして逃げ込んでしまったのです。
トイレを使わないわけにはいかず、結局ドアを開けたまま恐る恐る用を足すことになりました。この時はまだ明るかったから良いものの、真っ暗な夜中にヘビがいるかもしれないトイレに行くのはホントに恐怖でした。
砂漠の地平線に沈む夕陽を眺める
砂をひとすくいすると、砂粒がとても細かいのにびっくりです。
まるで小麦粉を触った時のようにうっすらと指先が白くなります。
砂の表面を良く見ているといろいろな生物の足跡があって面白いです。
日暮れ前に、野生だか、飼い主がいるのか分からないけれど、ラクダの群れがキャンプサイトの脇をゆっくり通って行きました。
よく見ると子ラクダもいます。
のんびりとした時が流れる中、太陽が地平線に沈んでいきました。
砂漠の宴の後、満天の星空の下に眠る
キャンプサイトにはネコが一匹いて、いい退屈しのぎでした。キャンプへのヘビやサソリの進入防止に一役買ってくれてるといいけれど、本当のところは分かりません。
一番綺麗な部屋をあてがわれたけれど、荷物置き場にしただけで、食事も寝るのも外が良いと言って、砂の上で夕食の準備が整えられました。
夕食までのひと時、ムスタファさんがパイプに穴を開けただけのシンプルな笛で演奏を聴かせてくれました。独特のメロディでした。
夕食は、サラダ、ラムのクスクス、デザートは黄桃で、砂漠の中でびっくりするほどのご馳走でした。
砂の上で眠れるように、ござと毛布等を用意してくれました。
ふと見上げると満天の星空。
うつらうつらしていると、台所の方からパン生地をこねるパタン、パタンという音が聞こえてきました。明日の朝食は、おいしい焼き立てのパンが食べられそうです。
24時を回ってしばらくすると、月も沈んで、それは素晴らしい満天の星空を楽しむことが出来ました。
天の川からは星があふれて今にも落ちてきそうな感じ。
満点の星空の砂漠で眠るというひとつの夢が叶いました。
長かった今日1日のドライブ+ラクダのルートです。