MSCプレチオーサに乗船し、ハンブルク出港

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いよいよ2週間の北欧クルーズが始まります。MSCでのクルーズは初めてなので、いつも乗っているノルウェージャン(以下NCL)と比べるのも楽しみです。

MSCプレチオーサ号に乗船

指定された11〜12時にチェックインできるようにアパートを出てUberでハンブルククルーズターミナルに向かいました。

広々としたターミナルで、船室番号が書かれたタグを付けた荷物を預け、予約確認書とパスポートを見せてチェックインし、手荷物の保安検査を受けて乗船する流れはスムーズで、NCLとほとんど同じでした。

MSCプレチオーサは、13.9万トンの大型クルーズ船で、なかなか1枚の写真には収まりません。

NCLでは、船室の鍵となり船内での支払いに使えるクルーズカードはチェックイン時に渡されるのですが、MSCではまず船室に行ってドアノブに掛けてある封筒内のクルーズカードを受け取るようになっていました。

価値大の船尾向きバルコニー付き船室

NCLでは初日の乗船後、準備ができたとアナウンスがあるまで船室には入れないのですが、すぐに船室に入れて手荷物を置けたのはありがたかったです。

船室も思った以上に広々としています。ベッドは後でツインにしてもらいました。

ソファにテーブルが付いているのは、船室の使い勝手がとても良くなります。

デスク周辺のアメニティはNCLと大差なしですが、NCLで置けるコーヒーメーカーの代わりに湯沸かしでした。

バスルームもいい感じで、シャワーブースのガラス扉を使っていない間はたたんで広々と使えるのは特に良かったです。

MSCのクルーズでは、エクスペリエンスと呼ぶ3つのランクがあり、一番安いベッラでは特定の船室を選べず、一番高いアウレアは必要ないと思ったので、中間のファンタスティカにして、今回初めて船尾向きの船室を選びました。

いつも船室を選ぶ時は、航路によって右舷・左舷のどちらの景色が良さそうかを考えて決めますが、船首向き・船尾向きの船室なら、右舷・左舷の両方の景色を眺めることができます。

そのため、普通は料金が高く設定されるのですが、このクルーズでは他のバルコニー付き船室と同料金で船尾向きのが残っていたので、それを予約しました。(結果的に、船尾向きバルコニー付き船室は、景色を楽しんで写真を撮るのに絶大の価値がありました。)

船尾バルコニーに出ていると、ひっきりなしに行き交うハンブルク港めぐり遊覧船の乗客がたくさん手を振ってくれました。

妻が子羊のぬいぐるみを手に持って振っていたら、一斉に声を揃えてメエーと鳴いてくれた船もありました。

船室を一通りチェックした後、まず寄港地ツアーデスクに行って、事前に予約しようとして満席だったツアーに空きがないかチェックすると、ベルゲンでの希望の寄港地ツアーだけ予約できました。今回のクルーズで船の寄港地ツアーを利用するのは、結局ベルゲンのみです。

事前に予約する場合に比べて、乗船後に予約すると15%のサービスチャージが追加される仕組みは残念です。(NCLでは寄港地ツアーの料金は予約が乗船前でも後でも同じです。)

船の食事のMSC/NCL比べ

ビュフェでランチにしました。品揃えはNCLの方が良いと感じました。飲み物もコーヒーとティーしかなく、NCLではいつでも飲めるジュース類は朝食時のみになってました。

食事の話を先にまとめて書いておきます。

レストランでの夕食が、MSCとNCLで最大の違いを感じたところです。NCLでは(予約が必要な有料レストランを除いて)好きな時間に好きなレストランに行けるのですが、MSCでは2つのシフトのどちらかに固定され、レストランもテーブルまでもクルーズを通して固定されました。

ファンタスティカでは希望のシフトをリクエストできて、希望通り早い方の18時スタートに決まりましたが、テーブルは、出入り口に近くてすぐ横を人が行き交い、窓から遠くて景色が見えない2人席になりました。

大テーブルで他の船客と相席になる方が多いのですが、おそらくこのクルーズで日本人は我が家だけなので、2人席になったのだと思います。その方が食事中に気を遣わずに済むのでまあ良かったです。

初日の夕食メニューです。

クルーズを通して、夕食のメイン料理は、NCLの方が美味しいと感じました。NCLでは夕食中の水やティーやコーヒーは無料ですが、MSCでは水さえ有料で、何も飲まずに食べるわけにもいかず、毎回レストランで食事をする度に水代を追加で払うことになりました。

一方、朝食は、MSCの方が良かったです。ビュフェでもスモークサーモンが食べられるし、フルーツの品揃えも豊富でした。ビュフェでもレストランでも、選べるパン、チーズ、パテ、ハム類の種類が豊富で、特にパンがとても美味しいのです。

レストランでの夕食時でさえ、好きなパンを食べる分だけ選んで食べられる仕組みも良かったです。

ハンブルク出港

19時になって夕食中に船が出航し、食事を終えて船室に戻り、船尾バルコニーから出港風景を楽しみました。

ハンブルク港は、エルベ川の河口から約100kmも遡った所にあるので、延々と川の両岸の風景を眺められます。

入出港時に船尾に付くタグボートの仕事ぶりを間近に眺められるのも船尾バルコニーの良い点でした。

複雑に幾つもの水路に分かれているハンブルク港ですが、その最後の水路と合流しました。

船から家々を眺めるのも楽しいですが、目の前を通過する大きなクルーズ船をあちらから眺めるのもいいものだと思います。

川なのにビーチがありました。難破船みたいなのも見えます。

北海道よりずっと北にあって日が長いハンブルクですが、21時を過ぎて多少は暗くなり、工場夜景っぽい景色も見えました。

まだ河口までのようやく半分です。

船内探検(上層階)

乗船初日と、翌日の終日航海日の2日間に分けて、船内のあちこちを探検しました。

MSCプレチーサでは、多くのクルーズ船と同様に中層階は船室ばかりですが、5〜7階の低層階と14階以上の高層階に共用施設があります。

高層階の中心にはプールやジャグジーなどのアクアパークがあります。

アクアパークの船尾側は大きなビュフェになっていますが、プールサイドにも臨時のビュフェが設けられてプールサイドで食事をすることもできます。

MSCプレチオーサに特徴的なのは、アクアパークの船首側に室内プールがあることでした。ここは、ガラス屋根に覆われて温室のようにポカポカで、これから向かう北欧の気温が低いところでも快適に泳げるようになっていました。(結果的には、使いたいと思った時にはジャグジーが混んでいて一度も利用しないままでした。)

そのさらに船首側にスパがあり、基本的に有料なのでこれまでNCLでも利用したことはありませんでした。

どのクルーズラインでもリピーターが特典を享受できるロイヤルティプログラムがあり、NCLでは何度も乗っているのでサファイアになっています。MSCには初めて乗るので普通はゼロからのスタートですが、嬉しいことに他社のランクを持ち込めるステータスマッチという仕組みがあり、ゴールドからのスタートとなりました。

ゴールドの特典の1つとして、サーマルスパが1時間無料だったので、初めて利用してみました。ポカポカに熱せられたタイルの上に仰向けに寝そべって海を眺めながら過ごす感じです。

一度体験できたのは良かったですが、お金を払ってまで利用したいほどのものではないと思いました。

結局、ゴールド特典で使えたのはこれだけで、総じてMSCのローヤルティ特典はしょぼく、NCLの特典のありがたみを再認識することになりました。

スパの横には無料で使えるジムがあります。後日、終日航海日にウォーキングするために、ここのランニングマシンを利用しようと思って行きましたが、空きがなかったので、結局ここも利用しないままでした。

上層階の一番船首側は、高い料金を支払った上級船客専用エリアになっていて、どこにも船首側の景色を見渡せるオープンデッキがなかったのは残念でした。

船内探検(下層階)

下層階の中心には吹き抜けのアトリウムがあり、ピアノの生演奏をしていました。

MSCプレチオーサで一番印象的だった場所は、アトリウムにあるスワロフスキー製クリスタル階段で、正確には分かりませんが、製作費が約3億円とも言われています。

毎日レストランへ行くのに、わざわざ少し遠回りして、歩くと眩しいこの階段を使っていました。

下層階の船尾側は、ほとんどがレストランですが、7階最後尾のサファリラウンジは船内イベントに良く使われていて、毎朝のストレッチにはできるだけ参加するようにしていました。

6階のアトリウムの船首側には、フェニキアプラザと呼ばれるちょっと素敵な空間があり、その周りには色々なブランドショップが並んでいます。

その船首側にはカジノがありますが、これまでのクルーズでも利用したことはありません。

7階のアトリウムより船首側にはいくつかのバーと、少しスケールは小さいものの、なんとボーリングレーンまでありました。

低層階の一番船首側はシアターです。

ここで初日の晩に船長(マイクを持って横を向いているおじいさん)以下シニアオフィサーの挨拶がありました。

NCL(アメリカ資本)ではアメリカ・カナダ・オーストラリア・イギリス人の船客が多く基本的に英語のみ(航路によっては追加でスペイン語など)が使われますが、MSC(スイス資本)ではヨーロッパの船客が多く、6ヶ国語でアナウンスが繰り返されるため、とても時間がかかりました。

そのようにサービス面では色々な違いがあるものの、船自体については、MSCとNCLの違いというよりは、船ごとにそれぞれの特徴があるという感じです。

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