レクネス入港時にシャチ現る
昨日トロムソを出港したMSCプレチオーサは、ぐるりと大回りして、「世界で最も美しい場所の一つ」と言われるロフォーテン諸島に向かいました。

ビュフェで朝食を食べている間に、船はロフォーテン諸島の最先端の岬を回り込みました。

今日の寄港地レクネスがあるフィヨルドの入り口で、パイロットが乗船しました。

そのすぐ後に、なんとシャチの群れがすぐ近くに現れて、何度かダイブする様子を見ることができました。ラッキー!

船はフィヨルドの中ほどまで進入したところで錨を降ろしました。レクネスは、この北欧クルーズでは唯一、テンダーを使って上陸する寄港地となります。

テンダーのドラマ
テンダーについては、ちょっとドラマティックな展開がありました。
レクネスでも埠頭に接岸すると思っていたので、入港予定時刻の10時に対して十分にゆとりがある11時半スタートの現地ツアーを予約していました。
ところが、レクネスではテンダーで上陸するとの発表がハンブルク出港後にあり、船の寄港地ツアーに申し込んでいない人がテンダーに乗船できるのは11時半以降で、港まで20分ほどかかるとのことです。
船の寄港地ツアーに変更しようかと思いましたが、参加したいと思うツアーは全て満席です。
そこでツアー会社にメールして、早くても上陸できるのは12時頃になると伝えると、ツアー出発時刻を12:15に変更してくれました。
それに間に合うように最初のテンダーに乗れるチケットを入手しようと、前日16時半から配布開始のところ1時間前に行ったのですが、既に長い行列ができていて、予定より早くテンダーチケットの配布が始まっていました。
チケット番号52までなら、ツアーにギリギリ間に合うかもしれませんが・・・

ゲットできたのは54番でした。これだと上陸できるのが12:25頃になるため間に合いません。

ダメ元でツアー会社に再度メールしましたが、長いツアーで船の出港に間に合うように帰ってくる必要もあるので、12:15より遅らせることはできないとのことです。既に無料キャンセル期限は過ぎているので、ツアー代も戻って来ません。
そして当日の朝、集合場所のシアターに12時頃に行けばいいですが、10時半頃に偵察を兼ねて行って、今持っているテンダーチケットだとツアーに間に合わないので、早いのに乗ることは可能かダメ元で聞いてみると、ちょうど今から出るテンダーに空きがまだ十分あるようで、乗せてくれました。ラッキー!!!

そんなドラマを経て、無事に1番テンダーで上陸することができました。
ツアー出発
東西に長いロフォーテン諸島の中央付近に上陸したレクネスがあります。今日の現地ツアー(From Leknes port: Special Summer Guided Tour of Lofoten)は、道路の最西端の村まで行く、諸島の西半分をめぐるツアーです。

ツアーの出発時刻までまだ1時間ほどゆとりができたので、雨がパラついていましたが、付近を散策して見つけた池の周りを一周してみました。

ところが思ったより時間がかかって、最後は焦って速足で港に戻り、汗をかいてしまいましたが、ツアーバスに乗車して前から2列目の良い席を確保できました。
出発時刻までに現れなかった船客2人を結局5分ほど待ちましたが、それ以上は待てないとのことで、バスは出発し、海底トンネルを通ってまず西隣りの島へ移動しました。
ロフォーテンらしい風景
さすがロフォーテン諸島と思える景色の良い道をバスは進みます。海岸から切り立つ崖と、海と崖の間のわずかな平地に散らばる家々が、特徴的です。

道中、道路脇の溝に脱輪してしまったキャンピングカーを見かけました。道路が雪に覆われる厳しい冬には珍しくないことだそうですが、ガイドが「今は夏なのに・・・」と言ってました。

最初に写真ストップしたのは、緑の草地の中にポツンと建つ教会です。この赤がこの辺りの建物の特徴的な色です。

雨模様で肌寒いし、そもそもここはまだ北極圏なのに、ビーチでサーフィンをしている人がいるのは驚きですが・・・

実は、ロフォーテン諸島には世界中のサーファーがやってくる人気のビーチがあるそうです。メキシコ湾流のおかげで海水温が5℃を下回ることは滅多になく、サメがいないという利点もあるとのこと。
ロフォーテン諸島の主な産業は、昔から変わらず漁業、特にタラ漁とその加工です。獲ったタラを干して乾燥させるための木製の干し棚をあちこちで見かけました。

タラは2匹ずつ尾の部分を結び合わせて棚にかけてあります。
最西端の島へ渡る橋が見えてきました。まるでモルデに寄港した時に通ったアトランティック・ロードのようですが、バスは、これとは別の橋で渡ります。

深いフィヨルドは大型のケージを設置するのに理想的なので、ロフォーテン諸島のあちこちでサーモンを養殖していました。

しかし、ノルウェーのサーモン養殖産業で、近年深刻な問題がいろいろ出ている話を旅行中に何度かガイドから聞きました。その一つは、逃げ出した養殖魚が野生のサーモンと交配することによる遺伝子多様性の低下だそうです。
ロフォーテンを代表する景色
いよいよロフォーテン諸島で特に美しいレイネの街に近づいて来ました。

特にこの写真は、ロフォーテン諸島を代表する景色として観光ポスターに使われたものと全く同じ場所から撮ってみました。

レイネの街でしばらく自由時間があったので、最後にバスで渡った橋まで歩いて戻って撮った写真です。

その後、かなりの雨が降り出しましたが、ギリギリセーフでバスに戻れました。
西の果てのオー
その後、バスはさらに西へ進み、ロフォーテン諸島最西端の街オー(Å)で、これまで走って来たE10号線道路の終端を見届けました。

E10は、最後はこんなに細くなっていますが、実はフィンランドとの国境にも近いスウェーデンのルーレオという街まで続く国際幹線道路なのです。
オー村では、本降りの雨の中、入り江を囲む遊歩道を歩いて、小さな漁村の雰囲気を楽しみました。

泳げないビーチ
レクネスへ戻る帰り道、「北のコパカバーナ」と呼ばれているビーチで、妻は北極圏の海水に手をつけました。

とても泳げそうもない水温だったそうです。
オー村に滞在中は、18時の最終テンダーに間に合うかちょっと心配でしたが、帰りはビーチで短い写真ストップがあっただけで問題なくゆとりを持って港に戻り、待ち行列なしでテンダーに乗れて、18時前に船に戻れました。

理由は不明ですが、ほぼ1時間遅れで20時頃に出航し、最後までロフォーテン諸島の景色をバルコニーから楽しみました。

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