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カナリア諸島2番目の寄港地は、アフリカ大陸に近く最も東側にあるランサローテ島です。
今日は「ベスト・オブ・ランサローテ」という寄港地ツアーに参加して、丸一日かけて島の見どころをめぐります。
白い家並みの正体
港から眺めるアレシフェの街は、昨日寄港したサンタ・クルス・デ・ラ・パルマと比べると、ちょっと無機質な感じがするくらい、白一色の家並みに見えました。

ツアーバスに乗って、街の白い家々のそばを通る時によく見ると、とてもユニークでおもしろい家もありました。

遠目には無機質に見えた街ですが、全然そんなことはなかったです。
地熱が分かる3つのデモ
最初の目的地であるティマンファヤ国立公園に向かう途中、観光客向けのラクダのキャラバンを見かけました。

国立公園に着くと、この島が火山島であり今も地熱活動が活発であることを示す3つのデモンストレーションが続け様にありました。
1つ目は、シャベルで10cmほどすくって皆の手のひらに配られた小石がアチアチでした。

2つ目は、干し草を地面の穴に放り込んでしばらくすると、炎を上げて燃え上がりました。

3つ目が一番すごかったですが、この短い動画を見ていただければ一目瞭然です。
火山地形をドライブ
次に、一般車は乗入不可の公園内のルナー・ルートという周遊ドライブコースを45分間ほどバスでめぐります。
月の世界のような砂漠があり・・・

赤い丘陵があり・・・

立派な噴火口跡があり・・・

狭い道でアップダウンもあるし、両側に溶岩が張り出している所、崖になっている所を通るスリルのあるドライブで楽しめました。
最後に公園のビジターセンターの展示を見て、溶岩原の中の遊歩道を歩きました。

今年は、仏領ポリネシア(タヒチなど)、ハワイ、カナリア諸島と、図らずも火山島をたくさん見た年になりました。
火山灰のワイン畑
次に、火山灰を利用した独特のワイン畑が広がるラ・ヘリアを訪れました。
貿易風が吹く方向は一定なので、風上側だけにU字型に石積みがなされた浅い穴の底でブドウが栽培されています。

これだと機械は全く入れないので、全部手作業になって大変そうです。
そこのワイナリーで試飲したワインは、甘口のが超美味しかったです。

マリア様の奇跡
そこから15分ほどのマンチャ・ブランカ村で、赤ワインも飲み放題のビュフェ・ランチをいただきました。
この村の伝説ですが、18世紀の大噴火で迫り来る溶岩の前に村人が聖母マリア像を運んで必死に祈ったところ、奇跡的に溶岩の流れが止まったそうです。
そのことに感謝を捧げるためにドローレス教会が建てられました。

教会の祭壇には、その聖母像が祀られていました。

不思議な島
午後は最初にバスに50分ほど乗ってリオ展望台に行きました。
ここからの景色は、思わずわーっと声が出たほど、今回の旅行中これまでで最高に良かったです。海岸までの崖の高さもあるし、海岸付近は少し平地が広がっているのは、マデイラ島で見た崖とよく似ています。

いくつか島があり、手前の大きめのラ・グラシオーサ島には港があって、その周りに家も建っています。

水にも困りそうな不毛の地に見える島で、人々がたくましく生活していることが、この景色を見るだけで強烈に伝わってきました。
溶岩洞窟とアート
最後に、ハメオス・デル・アグアの溶岩洞窟を見に行きました。

この地底湖に住む1cmほどの小さな白い盲目のカニを見ることができて良かったです。

溶岩洞窟を通り抜けると、今日2度目のわーっという声が出ました。
真っ白な地面に真っ青な池は、絵本の世界に迷い込んだかのようです。

その奥には、自然の溶岩洞窟をうまく利用したコンサートホールまでありました。

ここは、この島出身のセザール・マンリケという建築家の作品で、自然とアートの融合が素晴らしかったです。

ランサローテ島の見どころを火山島ならではのいろいろな切り口から見ることができて、とても大満足の寄港地ツアーでした。
今日のお隣さん
終わって船に戻ると、”元”飛鳥のアマデア号が、ここでも隣に接岸していました。

反対側の岸壁には、コスタ・ファボローザ号(11.3万トン)が寄港していました。

ノルウェージャン・スカイ号は、この2隻より先に、17時頃アレシフェを出港しました。