東京都心でパナマ運河体験クルーズ

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昨夏の荒川ロックゲート体験クルーズに引き続き、今年も東京都心の運河と河川をめぐるクルーズをアーサー・ランサム・クラブ(ARC)の仲間と一緒に楽しみました。

日本橋川を下って隅田川へ

今回は日本橋発着の2つのクルーズに続けて乗船しますが、午前は「パナマ運河体験クルーズ」です。

8年前に東海道五十三次を歩いた時、出発点の日本橋はしげしげと眺めたはずですが、橋のすぐ横に観光船が発着できる桟橋があったとは、改めてビックリです。

このクルーズは、予約受付開始直後に申し込んでおいたので、ARC団体は一番に乗船して景色の良い最前列の席を確保できました。

日本橋川を下流に向かって出航し、最初にくぐる江戸橋の建造年は、なんと1929年!

ARCは『ツバメ号とアマゾン号』シリーズの愛読者の団体なのですが、著者アーサー・ランサムがこの物語の執筆を始めたのが1929年で、ARC会報のタイトルにもしているくらい、ランサムファンにとっては重要な年なのです。

しばらく首都高の高架下を進んで箱崎ジャンクションのそばまで来ました。

ここで首都高は左にカーブして川から離れ、この先は開放感のあるクルーズになりました。

次の湊橋には千石船のレリーフが付いていました。これは橋を渡っている人や車からは見えませんが、船だと目立つ所にあるので存在感ありありです。(写真は帰路に撮ったものです。)

日本橋川に架かる最後の橋、豊海橋をくぐると隅田川です。

このクルーズの目的地は、左手の隅田川の上流側にあるのですが、右手のすぐ下流側に見えている永代橋をくぐって船は一旦下流側に向かいました。

隅田川遊覧

隅田川は永代橋の下流側で2つに分かれていて、その間に聳え立つ高層ビル群の眺めが印象的でした。

ここで、宇宙船をイメージして松本零士氏(『宇宙戦艦ヤマト』や『銀河鉄道999』の作者)がデザインした3隻の船の一つ、ホタルナに追い抜かれました。

船はUターンして隅田川を遡り、清洲橋の中央から聳え立つ東京スカイツリーが望める絶景ポイントに来ました。

今度は、ホタルナの姉妹船、エメラルダスに追い抜かれました。

その後ろに建つDaiwaリバーゲートのビルの真ん中に開いた大きな穴は、景観と風の通り道のためだそうです。

船は右に曲がって隅田川を離れ、萬年橋をくぐって小名木川に入って行きました。

小名木川を東へ

すぐに開きっぱなしの新小名木川水門を通り抜けました。閉鎖されるのは洪水の危険がある時や高潮が予想される時なので、開いているのは良いことです。

小名木川は、徳永家康の命で建設された人工河川で、ひたすら真っ直ぐです。

途中で大横川と直角に交わる水路の十字路を通り過ぎました。

扇橋閘門を通過

いよいよこのクルーズの目的地でありパナマ運河体験ができる扇橋閘門です。手前の水門は開いていたので、そのまま閘室に進入します。

閉じている奥の水門の上には、羽を広げて乾かしているカワウが2羽並んでとまっていました。

入って来た方の水門が閉まり始めました。この水門の上の監視所の屋根には、アオサギが1羽とまっています。

両方の水門の写真をたくさん撮ったので、後でどちらの水門だったか判別するのに、カワウとアオサギが役立ちました。

閘室内の水が排水されて水位が1.6mほど下がった後、出て行く方の水門が開きました。閘室の壁の濡れた部分が閘門前後の水路の水位差を示しています。

開いたばかりの水門の下をくぐる時には、上から本降りの雨のように水滴が落ちてくるので、船に備え付けの傘をさして通り抜けました。

扇橋閘門を通り抜けた先に水色の小名木川クローバー橋が見えています。去年の荒川ロックゲート体験クルーズの際に左から奥へとくぐり抜けた十字形の橋ですが、今回はそこまでは行かずにUターンして帰路につきました。

もう一度扇橋閘門を逆方向に通過する際には、左右の壁の数ヶ所ずつから閘室に注水されて水位が上がりました。

帰路

小名木川から隅田川に出てすぐ左手に架かる清洲橋は、ドイツのケルンにあった橋をモデルに造られたもので、このアングルから見る橋は「ケルンの眺め」と呼ばれているそうです。

ちなみに元の橋は戦争で破壊されて今はなく、ケルンに行っても「ケルンの眺め」は見られません。

隅田川でなんと今度はヒミコとすれ違いました。

このクルーズ中に松本零士氏がデザインした宇宙船型の3隻の姉妹船を全て間近に見ることができてラッキーです。

日本橋に帰港

日本橋まで戻って来ました。桟橋は橋の手前にあるのですが、船は一旦日本橋をくぐり抜けて反対側まで行ってくれました。

日本橋の上に覆い被さるように造られた首都高の地下化工事はすでに進行中で、一部の高架が撤去されている今しか見られない景色を見られました。

日本橋の装飾豊かな照明塔をアクロバティックなほどスレスレにかわして通る高架が全て撤去されると、随分スッキリ開放感にあふれることと思います。

今回のクルーズ中にガイドから聞いた逸話の中でもおもしろかったのは、この照明灯のふもとの台座にたたずむ麒麟像です。造られた麒麟像がちょっと大き過ぎて台座に収まらず、つま先が少しはみ出てしまいました。

でも、その方がかわいいと言うガイドの意見に賛成です。

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