フランス11: 次々とロックを越えて、ミディ運河ならではの景観を楽しむ

この記事は約9分でお読みいただけます。

ミディ運河の最初のロックを越える

予定通りに朝10時にロックのゲートが開きました。いよいよミディ運河のロック越えの始まりです。

ロックとは、水位の異なる水路間で船を上下させる仕組みの一種です。パナマ運河にもその大規模なのがありますが、ミディ運河にもたくさんあります。

ミディ運河のロックは、楕円形をしているのがユニークでお洒落です。

この最初のBagnasロックを越えた時の一連の流れを、字幕説明付きの40秒動画にまとめました。

やはりロック越えは楽しいです。ロックの中は思ったより狭かったけど、そう難しくはなかったです。

地中海につながる珍しい三又ロックを越える

2番目のBassin Rondロックは、出入り口が3つあるとてもユニークなものでした。

オラ号は、下の写真の左下からロックに入り、真っ直ぐ右上のゲートから出て、ミディ運河の続きを行きますが、もし、左側のもう1つのゲートから出ると、昨晩散歩したアグドの街を通って、地中海に抜けられるのです。

ミディ運河から海に向かう大きな船が向きを変えられるように、片側が拡張されたいびつな形のロックになっていました。

地中海に向かう水路は、狭いけど並木が美しく、その奥に見えるカテドラルと共に、手招きしているようです。

ミディ運河のロックは全て電動で、ロックキーパーと言われる係の人がゲートの開閉操作をします。複数のロックを同じロックキーパーが車で移動しながら次々と開けてくれる仕組みなので、ウーカスは、丁度良い時間に開けてもらえるように交渉していました。

ミディ運河らしい景色の中を進む

ミディ運河らしい景色になってきました。

たくさんの橋をくぐり、中には幅がギリギリで狭いのもあるので、運転の試験でもしているようでしたが、概ねスピードを落とさずにうまく通れたので楽しかったです。

街歩きとランチを済ませ、ロックが開くのを待つ

3番目のPortiragnesロックの手前にオラ号を係留して、ポルティラーニュの街を軽く散歩しました。古い教会に入ってみると、クリスマスのキリスト生誕のジオラマが、まだ飾ってありました。ジオラマの中の教会の模型は、この教会の外観に本当にそっくりです。

ランチに、オラ号のギャレー(船のキッチンのこと)で、妻がシーフード・スパゲッティを作りました。ギャレーには、ガスコンロ、流し、冷蔵庫、食器など、一通りはそろっていますが、オーブンがないのは残念でした。

約束の14時になってもしばらくロックが開かなかったけど、ランチも遅れていたのでちょうど良かったです。

ちなみに、ロックに入る時と、出る時の水位差は、ここでは2m余りでした。注水が始まった時点では、ウーカスの目の高さにボラード(船を係留するための杭)がありましたが・・・

注水が終わった時には、ウーカスの足元より下になっています。このように船が大きく上下するので、ロックの中では、舫い綱をボラードに結びつけてはダメで、必ず手に持って常にゆるみがないように引っ張っておく必要があります。

かなりの勢いで注水されるので、ボートを岸から離れないようにするには、力が要ります。普通は、2人がかりでボートの前後2本の舫い綱を使うのですが、ウーカスは力持ちなので、ボート中央に留めたロープ1本で支えています。ポーランドで運河クルーズした時に、自分でも試したことがありますが、注水口の近くにボートがある場合は、とても1人では支えきれませんでした。

プラタナス並木を進み、2隻一緒にロックを越える

ロックを越えると、プラタナス並木が続くミディ運河ならではの景観になりました。しかし、ミディ運河のプラタナスの木は、病気でかなり枯れてしまったらしく、新たに多くの木が植えられているそうです。

4番目のVilleneuveロックは、もう1隻先に入っていて、一緒に越えることになりました。オラ号くらいの大きさであれば、最大4隻まで一度にロックに収まりますが、今はシーズンオフなので、動いている他のプレジャーボートに出会ったのは、この時だけでした。

ロックを出る時は、先に行かせてもらったので、5番目のAriegesロックでは、オラ号が先に入って、その船が入ってくるのを待ちました。

狭いロックの中で船を操るのは難しいので、棒で岸壁を押したりしています。

深いロックを越えて、ベジエの街を観光する

今日最後で6番目のBéziersロックは、オラ号だけで入りました。岸壁の上は全く見えないくらい、これまでで一番深いロックで、水位差が4m以上もあります。

ここでは、岸壁に埋め込まれた丈夫な垂直の棒(下の写真の右側のハシゴのすぐ奥)に、舫い綱を留めます。

16時頃、このロックを抜けて、今晩の停泊地となるベジエの街の港に到着しました。

さっそく、すぐ先にある、ミディ運河で最高水位差(6m以上)のOrbロックを見に行きました。明朝9時半にこれを越える予定です。

さらにその先には、ミディ運河最長のアクアダクトがあります。大きなオーブ川をミディ運河が渡るための美しい橋です。明日ここを通るのが今からワクワクです。

アクアダクトからベジエの街の方を眺めると、とても印象的な教会が丘の上にそびえ立っていました。サン・ナゼール大聖堂です。

大聖堂まで歩いて行ってみると、そこからの眺めは素晴らしく、中庭にも入れました。

旧市街を散歩して、立派な市庁舎も見て、別の道からオラ号に戻りました。

夕食は、スモークサーモン、カニ棒、フィッシュソーセージ、きゅうりの海苔巻きと肉じゃがで、ウーカスは、このような日本食も大好きなようです。

盛りだくさんの1日の締めくくりは、とても美しい夕焼け空でした。

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