旧ユーゴ16: アクイレイア大聖堂のモザイク画〜東西分断の街ゴリツァ

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大雨で行き先を変更

夜中も明け方も大雨が降り、コバリドの周りの山は雲に覆われています。これでは今日予定していた山岳地帯に向かっても楽しめません。快適なアパートなので、取りあえずもう1泊延長することにしました。

『地球の歩き方 クロアチア スロヴェニア』の地図を眺めながら今日行けるところがないか検討していたところ、イタリアに入ってそう遠くないところに「アクイレイア 世界遺産」と書いてあるのを見つけました。

しかし、それが城なのか、教会なのか、それとも自然遺産なのか、全く分かりません。インターネットが使えない宿だったので、携帯で日本の母に連絡して調べてもらうと、「モザイク画が素晴らしい教会」とのこと。

今回の旅行でイタリアに入ることは想定していませんでしたが、レンタカーの契約上は問題ないので行ってみることにしました。

まともな道路地図を持っていないので、幹線道路を行きましたが、途中に城門を通り抜ける所もありました。

1時間半ほどのドライブでアクイレイア大聖堂に到着しました。

アクイレイア大聖堂と古代ローマ遺跡

大聖堂の床一面にモザイク画が敷き詰められています。

図案は、例えばこの魚獲りのように、当時のさまざまな生活が題材になっていて、一つ一つ見ていておもしろいです。

見上げると、天井にも緻密な模様が描かれています。

地下礼拝堂にはフレスコ画が描かれていました。

宝物庫には綺麗に装飾された箱がいくつか並んでいましたが、よくよく見ると、なんと人骨です。

外では、ローマ時代の遺跡を発掘中で、まだ全貌は明らかではないものの、古代ローマ最大の都市かもしれないそうです。

2時間ほどかけて見てまわった世界遺産の「アクイレイアの遺跡地域と総主教座聖堂のバシリカ」は、来た甲斐のある見応えのあるものでした。

海辺の街でシーフード

フロリダのキーウェストのような海の中の橋を渡って半島の先にあるグラド(Grado)という街へ行き、海沿いのシーフードのトラットリアでスパゲティ・ボンゴレ、ムール貝とアサリ貝、パン、レモネード、白ワインのランチをいただきました。

全部で€28でしたが、海辺の街の美味しいシーフードで元気になりました。

東西分断を象徴する街ゴリツァ

コバリドへ戻る途中、ゴリツァ城に立ち寄りました。

高台にある城からゴリツァ旧市街の眺めを楽しみました。

城がある街は、イタリアのゴリツァですが、そのすぐ東側は、スロベニアのノヴァ・ゴリツァの街です。イタリアもスロベニアもEU加盟国(正確にはシェンゲン協定加盟国)なので、昔の国境検問所も今はノーチェックで通過できます。

しかし、鉄のカーテンの時代からつい昨年末までは、この街は分断されたままで、往来は不可能でした。

黄色い造花の置物は、当時の国境の壁があった所を示していて・・・

駅前広場の中に、国境線を示すプレートも埋め込まれていました。

ゴリツァは、ベルリンと共に東西の分断を象徴する街だったのです。

先ほど訪れたゴリツァ城からの眺めの中にも、国境の壁の名残りがありました。

ノヴァ・ゴリツァのクロムベルク城にも立ち寄りました。

正方形の建物の四隅に塔があるお城の中は博物館になっていました。

コバリドで天気回復の兆し

コバリドへ向かうと次第に山道になり、また雨が降り出しました。

山道なので、車のラジオも聞ける局が少なくなる中、Radio Mariaという局が感度がよくて、ずっとアヴェマリアの曲だけを放送し続けています。同じ曲でも楽器やコーラスなどの違いはありましたが、さすがに1時間も聞いていると飽きました。

コバリドへ戻り、小高い丘にある聖アントニウス教会イタリア軍兵士納骨堂へ行きました。

ようやく雨が上がり始め、景色が明るくなってきました。明日は晴天になるそうです。

メーデーで商店はみな閉まっていたので、ありあわせの食材で夕食にしました。

今夜は満室で、駐車場にはカヤックを積んだ車もいます。

隣の部屋にもお客さんが入って、トイレ&シャワーはシェアになってしまいました。

隣の部屋は狭くてベッドがあるだけで、こちらの部屋の方が広いのに、両方だと€90のところを€45で使わせてもらって得した気分でしたが、本当はこちらの部屋は€50なのをご主人の勘違いで€45にしてくれたようで、奥さんがぼやいていたのがおかしかったです。

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