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何と3日続けて沼津魚市場の「せきの」で朝食をいただきました。お店の人にも覚えられて、帰りがけに「娘さんにもよろしく」と言われてしまいました。・・・昨日、一昨日、一緒だったのはKIKIさんなのですが(^^;;;。
今日も素晴らしい天気で富士山もくっきり見えています。23日乗船が第1希望だった数名には人数調整のために25日にまわっていただいたので、一方の日だけが天気が良いとなると困るなあと思っていたのですが、幸いにも連休の3日間とも海も穏やかで晴れ渡った最高の天気に恵まれました。
今日は、溜船長、ヨット乗りランサマイトのSさん、ARC乗組員18名がヤマネコ号に乗船します。Sさんは23日のNさんとは違ってヤマネコ号常連のAmiヨットクラブの方では無いので、その分、こちらに船の仕事がどんどん回ってきて、結果的にそれがとってもラッキーでした。
まずはバウスプリットの先で、ジブやステイスルをフォアステイに留めて、ハリヤードとシートを帆に取り付ける作業をさせていただきました。一人前の帆船乗りになった気分をちょっと味わえました。
フライングジブのタック(前下端)を取り付ける場所が分からなくて溜船長に聞いたら、バウスプリットの先端に付いている短いロープの先に付けるとのこと。そうするとジブ全体が船体から離れた空中にあることになります。「だからフライングジブなんですよ。」と溜船長に言われて、なるほど~と納得しました。
出港してすぐに「メインスル上げ」との号令。帆を上げるのは23日以来3回目になるので、時々間違えながらも、どのロープを引けば良いかが大体分かるようになってきました。ガフのジョー(マスト側)とピーク(反対側)につながるハリヤード2本を、ガフがちょうど良い角度を保ったまま上がるように調整しながら引っ張ります。メインスルが上がってハリヤードをビレイピンに留めて、余ったロープを輪にするメイクアップラインをする前に、次の「フォアスル上げ」の号令です。
一昨日とは全く違うハイペースで次々と号令が下り、ハリヤードを引く人、メイクアップラインする人、シートを引く人が、手分けしながら同時並行で作業が進み、フライングジブ、ロワージブ、ロワーステイスルも上がりました。
次はちょっと難しいメイントプスルとアッパーステイスルを上げます。ピークとエンドクリューと両側のシートに取り付いた4人が、溜船長から逐次指示をいただきながら、帆を上げます。この2枚が上がると、ヤマネコ号が格段に格好良くなるのですが、船上にいるとちょっと離れたところから全体の雄姿を眺められなくて残念です。
全部の帆が上がると、一息ついて、今日はグレープフルーツジュースで喉を潤しました。さっそくMinnowさんとNPさんは、メインマストとフォアマストのふもとに並ぶたくさんのロープのどれがどれだったかの復習を始めました。
弱いながらもいい風が吹いているので、エンジンを止めて帆走です。タックもジャイブもしました。船首の3枚の三角帆をタックさせるだけでも両舷に3人ずつ必要で、うまく行くと実に気持ちいいです。ARC乗組員が自分たちだけでヤマネコ号を帆走させている気分を十分に味わうことが出来ました。
帆を降ろして、浮き桟橋に係留して、また山源で特製ランチのお昼です。夏の紀伊クルーズで一緒だったAmiヨットクラブのHご夫妻も加わりました。食後は宝探し。一昨日とは違う場所に宝が隠されていたのにはちょっとビックリ。
出航するまでしばしのんびりして、私も子供達もマストに登って遊びました。それぞれが危険の無い範囲で自由にさせてくださるのも溜船長の魅力です。初めて上る時は、はしごがブルブル揺れるのでちょっと怖いし、クロストリーズに上がるのはちょっと勇気が要りますが、回りにはたくさん手がかりとなるロープもあるしマスト自体もつかまれる大きさなので、一度登ってしまえば、2度目、3度目はずっと簡単になります。
出航して、また帆を次々と手際よく上げて、舵輪も交替で握って、タックして、ジャイブして、穏やかな風ながら帆走を満喫しました。
船首のネットの上は、子供達に大人気。ここに寝転がると本当に気持ちいいのです。
溜船長のお仲間のヨットが現れて、しばしヤマネコ号にじゃれるように帆走していきました。大型のディンギーで、我家がニューヨークに島流し中に乗っていたのにちょっと似ています。
またマストに上って、美しく風をはらんだ白帆にうっとりとしながら、風と船の揺れを感じます。
ティータイム後、交替で舵輪を握りながらまたしばし帆走し、とうとう帆を降ろす時間となりました。手際よく帆を片付けたせいか?まだたっぷり時間があったので、機走で淡島を一周しました。本土と島の間の海峡をロープウェイをくぐるようにして抜けます。
島もヤマネコ号の船体も、夕日を受けてほんのりと赤く染まってとてもきれいです。
入港までの最後の時間は、バウスプリットの先で、船の動きや波を感じて、航海の喜びに全身でひたりました。
夕暮れ前、もうすぐ楽しかった航海が終わってしまう、ちょっとだけ物悲しい気分になりながら、静浦港に近づきます。
ちょうど日が沈む頃、帰港しました。何かこう、とっても満ち足りた気分というか、満足しきった、そういう素晴らしい航海でした。
ヤマネコ号と溜船長との出会いから4ヶ月、ここまで来ました。この先も、まだまだいろいろな夢と野望を実現できそうな、そんな期待に胸が踊ります。
ヤマネコ号、ばんざい!