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朝日に染まりゆく南極を見つめる
いつ南極が見えるかと、3時頃から何度か起きて外を確かめましたが、まだ暗くて白いのかどうか分からない陸のシルエットが見えたのが最初でした。
5時にはもう起きて、南極半島先端付近の山と棚氷の景色を見ました。
もうすぐ日の出との船長の短いアナウンスで、パルカを着て6階デッキに上がり、水平線からの日の出を見ました。
それからは、ずっと景色を眺めて写真を撮っていました。
今まで見たどの景色とも、頭の中で想像した南極の景色とも違っていて、目が離せなくて船室に戻れません。
ペンギンたちが、時々水面から飛び出すようにジャンプしながら、かなりのスピードで泳いで行きました。
予想外に荒れた海を渡り南極大陸に初上陸
ル・ボレアル号が、氷山を避けながら、最初の上陸地点となるブラウン・ブラフ(Brown Bluff)に出来る限り接近し、錨を降ろすまで、ずっとデッキから景色を見ていました。
その後、朝食を済ませました。
今日の上陸は最後のシフトなので、それまで前の組がゾディアックで上陸して、茶色い山の左側にある氷河まで歩いて登っている様子を、デッキから双眼鏡で見ていました。
ようやく待ち遠しかった順番が来て、ゾディアックに乗り込むと、上から見ていた以上に海は荒れていて、1mくらいの三角波がたくさんあります。
すごく揺れるし、飛沫ももろに何度もかぶり、リュックも帽子もかなり濡れてしまいましたが、ビーチでの上陸はそれほど難しくはなく、全て含めて楽しみながら、とうとう南極大陸にこの足で立ちました。
氷河ウォーキングとペンギン・ウォッチング
海岸には、数えきれないほどのジェンツーペンギンがいました。雪の斜面の随分高い所まで登っているペンギンもいます。
最初に氷河ウォーキングを済ませておこうと、海岸沿いに氷河の方へ歩いて、雪の斜面を登って行きました。
氷河の先端は、海の上に迫り出しているようです。
氷河の上からは、特に新しい景色が見えたわけではないですが、遠くに浮かぶル・ボレアル号を見て、あれで来たんだなあと思うのはいい気分でした。
海岸に降りて戻る途中、地学系のナチュラリストが、火山活動によって出来た珍しい岩について説明をしてくれていましたが、ペンギンをゆっくり見たかったので、写真を撮っただけでパスしちゃいました。
残りの上陸時間は、ペンギンのそばで、彼らの愛嬌たっぷりの動作を飽きることなく眺めていました。
ほとんどがジェンツーペンギンですが、アデリーペンギンも自分で1羽だけ見つけることができました。
帰りのゾディアックでは、海もおさまっていて濡れることもなく、ル・ボレアル号に乗船後すぐブーツや杖の先を消毒して、船室に戻りました。
その後すぐ始まった今日のレクチャーでは、ナショナル・ジオグラフィック社のプロカメラマンが撮影した写真やビデオをたっぷり見れて、さすがにどれも凄くて楽しめました。
ウェッデル海で卓状氷山観望クルーズ
レクチャーが終わった時には、船はもう出航していて、南極ならではの卓状氷山のそばを通過するところでした。
船は、この氷山を一周しました。海面に出ているのは全体の約1割にすぎません。
上陸したブラウン・ブラフは、南極半島の先端を少し東側に回り込んだ所にありますが、船はさらに半島の東側に広がるウェッデル海(Weddell Sea)へと進んでいます。
南極大陸の棚氷から分離した卓状氷山がこの辺りにはたくさん浮かんでいました。
泳いでいるクジラや氷山の上のペンギンとアザラシも見ました。
段々と風が強くなってきて、いつの間にか、ドレーク海峡のような強風になっています。
ウェッデル海を出て南極半島の西側に行くのに、近道は氷山で塞がっていて、遠回りして行くことになるようです。
霧も出てきて、雨も降り出して、南極の天気は変わりやすいです。でも、これで、良い景色を見逃さないかハラハラすることもないので、船室で安心して休むことができました。
南極カクテルにマグロの握り寿司
展望ラウンジにあるバーでは、好きなものを無料で飲むことができるので、メニューの中にあった南極カクテルというのを注文してみました。
カンパリが入っているので赤っぽい色をしています。(写真の右上)
それを持ってバイキング形式のレストランに夕食に行くと、前菜にマグロの握り寿司やタコなどもあって、美味しく楽しめました。