スワード寄港:氷河に近い街を歩き、日本との縁を発見

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スワードに寄港

まだ暗い6時半に、このクルーズでは3番目、アラスカでは最後の寄港地、スワードに接岸しました。

スワードは、アンカレッジの南にのびるキーナイ半島の東岸にある唯一の街で、一昨日寄港したアイシー海峡ポイントの辺りから昨日見たハバード氷河を経てこの半島まで、アラスカ湾の沿岸にたくさんの氷河が連なっています。

今日もしっかり雨が降っているので、入港後にゆっくり朝食を食べて、9時過ぎてから上陸しました。

倉庫のようなクルーズターミナルで30分ほど並んでダウンタウン行きの無料シャトルバスに乗車しました。

ダウンタウンまでは歩いてでも行ける距離ですが、雨降りの中、バスはありがたかったです。

水族館のユニークな展示

クルーズターミナル(地図A)からのバスは、この街の一番の見所であり、最初に行きたいと思っていた街の南端にあるアラスカ・シーライフ・センター(地図B)まで行ってくれました。

オフシーズンの今、通常は12時開館なのですが、今日はクルーズ船客のために10時開館で、ちょうど10時過ぎに着いたのでラッキーでした。

水族館としての展示を一通り見ましたが、色々な種類のイソギンチャクを素手で触れるようになっていたのが、水は冷たいけど思ったより柔らかい手触りで、おもしろかったです。

もう一つユニークで印象に残ったのは、多くの水族館にあるクラゲが浮遊している展示に模して、海洋ゴミをまるでクラゲのようにフワフワと浮遊させて見せていたものです。

スワードで成功した日系ビジネスマン

そこから雨の中をまっすぐダウンタウンの方へメインストリートを歩いていると、道端に何か日本に関わりのあるメモリアル(地図C)がありました。

スワードに25歳で来た日本からの移民が、ビジネスマンとして成功したものの、第2次世界大戦中は収監され、戦後はシアトルでまた活躍し、米市民権を得て、天皇から勲章をもらい、助けを必要とする人を援助する基金により死後も世の中に貢献し続けている話が書かれていました。

オフシーズンのダウンタウン

開いている土産物店を見たり、レストランをチェックしながら、ダウンタウン(地図D)まで歩いて来ましたが、カニを食べられそうなお店は全て閉まっていました。

近くにあるエグジット氷河に行くシャトルバスは、もう運行が終わっていて、現地ツアーがないかと期待しましたが、ツアー会社もオフシーズンで閉まっています。

残る手段は、タクシー会社に電話して交渉してみるくらいですが、時間的にかなり慌ただしくなりそうだったので諦めて、そのまま船まで歩いて戻り、カフェテリアでランチにしました。

トレイルを開拓した日系犬ぞり使い

午後は、またシャトルバスに乗ってアラスカ・シーライフ・センターまで行き、今度はそこから海岸沿いにダウンタウンまで歩くことにしました。

歩き始めてすぐ、また日本人ゆかりのモニュメント(地図E)がありました。

アラスカのゴールドラッシュ時に、内陸にある金鉱へ冬季にスワードからアクセスできるトレイルを優秀な犬ぞり使いであった日本からの移民が開拓したことが、その後のスワードの発展につながったそうです。

フィヨルドから遡上する鮭

そのトレイルの起点から海岸沿いの遊歩道を歩いて行きました。

フィヨルドであるリザレクション湾をはさんだ対岸には、アリスとエヴァという山や氷河が見えるそうですが、あいにく今日は雲に隠されてしまっています。

遊歩道は途中から海岸を離れて川沿いになり、よく見ると、川の中(地図F)にたくさんの鮭と思われる魚がいました。

ダウンタウンから船までは、シャトルバスで戻りました。

本当のアラスカの姿

しばらくすると湾の入り口方向に少し青空が出てきたので、船のデッキからしばらく周りの景色を眺めたり写真を撮ったりしました。

やはり晴れると景色がどんどん良くなってくるし、続く雨で感じていた閉塞感も解消していきました。

スワード出港後、レストランの右舷窓側のテーブルで夕食を食べていると、スワードの西側に広がるキーナイ・フィヨルド国立公園ベア氷河が海に流れ込んでいるところを見ることができました。

その後も夕食をいただきながら、夕日に一部が照らされたキーナイ半島東岸の景色を楽しみました。

結局、アラスカの寄港地は全て雨で、雨の中の観光も慣れて、それなりに楽しみましたが、最後に少し晴れ間が出た時の景色を見ると、今回のクルーズでは本当のアラスカの姿を見られないままだったなあとも思いました。

航路変更と嵐への備え

夕方の晴れ間にもかかわらず、船長からアナウンスがあり、嵐を避けるために最も南寄りのルートに変更するそうです。

次の寄港地の函館に向かう最短ルートとして元々予定されていた航路は、ベーリング海にも進入するもので、アリューシャン列島が見られるのを楽しみにしていたのですが、それがなくなりそうで残念です。

嵐に備えてバルコニーの椅子とテーブルも船室内に入れられてしまいました。

今日までアラスカ時間で、明日はハワイ・アリューシャン時間となるため、就寝前に時計を1時間戻しました。

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