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レイクパウエルを探検するためのモーターボートを借りる
5時半に起きると、天気はまずまずです。ベーゲルとコーヒー牛乳の朝食を食べて、7時過ぎにバスでレンタル・ボートのハーバーへ行きました。
14フィートの5人乗りだとこの辺りだけしか行けないとのことで、料金が倍もする18フィートの8人乗りを借りることにしました。何とかスペシャルで250ドルが230ドルになり、13ドルの保険も入りました。8人乗りと言っても4人でちょうどいいくらいの大きさです。
チューブ(大きくて丈夫な浮き輪)とチュービング用のロープ(水上スキーのようにモーターボートからチューブを引っ張るためのもの)、ライフジャケット(救命胴衣)も借りて、エンジンの説明を一通り聞いて、出発しようとしたら、さっそくエンジンがかかりません。エンジンキーを押し込むのをやり過ぎるとダメとのことです。
航路とボートに徐々に慣れる
出発。ハーバー内は「引き波を立てない速度」のスローで、外に出たらエンジン回転数を4000RPMまで上げたけど、他のボートにどんどん追い抜かれます。ハウスボートが1艘同じ方向に向かっていて、ようやく追い抜いたと思ったら、進むべきコースが分からなくなり、また抜かれました。
コース取りがかなり難しいです。ブイの間隔が広いので次のがすぐに見つからないし、ブイが示す航路はクネクネ曲がっています。
最初のうちは航路を示すブイを探してたどるのに精一杯で、まわりの他のモーターボートは全て暴走族のように見えていたのですが、だんだん慣れてきて、もうちょっとスピードを出してみようとレバーを前に倒すと、突然ボートが水面を滑走し始めて、すっご~いスピードが出ました。恐ろしくなってすぐにスピードを落としたら、子供達が「今のが良かったのに、何でスピード落としちゃうの! もっと出して! もっと出して!」と、すっごくうるさくなりました。
そのうちに慣れてきて、滑走スピードでどんどん進むようになりましたが、他のボートの引き波や風でちょっと大きな波にあたると、空中に飛び出して水面をバーン、バーンとバウンドして、ボートが壊れるんじゃないかと心配になり、またスピードを落とします。そのたびに、ガクンとスピードが落ちるので、船首にいる子供達は前に飛び出しそうになり、キャッキャッ言って大喜びしています。
ようやく慣れてきて、またスピードを出して、ハーバーから約80kmを3時間かけて、レインボーブリッジ国定公園があるフォービディング渓谷の入り口に着きました。
レインボーブリッジを見て、一抹のむなしさを感じる
渓谷の中はクネクネしていて、海図を買っておいて良かったです。
段々と狭くなって、とうとう「レインボーブリッジ」が見えました。
最後の区間は「引き波を立てない速度」だけど、うちのボートはスピードが出過ぎていたみたいで、すれ違うボートに「スロー・ダウン!」と言われてしまいました。
世界最大のナチュラルブリッジである「レインボーブリッジ」は、先住民が「虹が固まって石になってしまった」と言い伝えていたそうです。
ここまでの道路はなく、ボートで来るしかありません。最初にこれを発見した人は、本当に感激したことだと思いますし、昔は何日も砂漠のような所を歩いてようやく見れたというレインボーブリッジも、今はこうやってボートで歩かずに来れてしまうので、一抹のむなしさ(というとちょっと大袈裟だけど)のような感覚がありました。もちろん素晴らしい景観なのですが、偉大な山の8合目までヘリコプターで行って残りを歩いて登山したような、そんな気持ちかもしれません。
エンジンと格闘する
レインボーブリッジを見た後、出航した途端にエンジンが止まってしまい、再始動しません。漂流するボートをパドルでまた桟橋に寄せて、他のボートの人にも手伝ってもらって係留し、エンジンとの格闘が始まりました。
教えてもらった通りに、エンジンのそばのポンプを3〜4回握って、チョークレバーみたいなのを起こして、キーを少し押し込んでエンジンをかけると、一応スタートするのですが、そのうちに止まってしまいます。10回くらいそれを繰り返して、ようやく止まらなくなったエンジンをアイドリングさせたまま、暑いからあまり食欲はないけど、まずはチキンから昼食を始めました。
そのうちにエンジンも温まり、ギアを入れても大丈夫なようなので出発。ヒヤヒヤです。走りながらサンドイッチを食べて、麦茶をたくさん飲んで、渓谷を出ました。
でも、スピードを出そうと思っても滑走しないので、エンジンはまだ本調子じゃなさそうです。
「秘密の渓谷」を探検し、日和る
1マイルくらい上流に行った所から、右へ大きく回り込んで、細くてクネクネした「秘密の渓谷」(シークレット・キャニオン)に入りました。ハーバーのボートを説明してくれたお姉さんが教えてくれた場所です。
だんだん幅がせまくなってきて、さらに行くとボートの幅くらいしかない所まで行けそうなのですが、スピードを落とすとエンジンがまた止まりはしないかと心配なのと、風が強いので微妙な舵取りをするのにちょっと自信が持てなくて、狭い渓谷がUターンできる幅に少し広がった所から引き返しました。行けるところまでとことん行ってみたかったな~と、これはちょっと心残りです。
ガソリンが保つかハラハラする
ガソリンがもう1/4以下になって、ハーバーに戻る途中にある給油所までもつかどうかが今度は心配になってきました。燃料計は、スピードを出して走っている間はいつも針が満タンの所を指すので全くあてになりません。
渓谷を出て、またスピードを出して、ダングリング・ロープ・マリーナという所へ行きました。給油待ちのボートが先に2艘いたので順番待ちして、係りの人が給油してくれました。オイルの方はまだ半分残っているとのことで、補充はしませんでした。
その間に子供達は水着に着替え、妻はアイスクリームを買って、出発しようとすると、またエンジン停止です。しばらくアイドリングしたり、ギアを入れたり、何度もリスタートしたりして、ようやく出港したら、港の中と外で1回ずつエンストしました。チョークをしばらく上げたまま走って、少しずつ戻しながら、スピードを上げて何とかなりました。
順番にチュービングを楽しむ
しばらくは滑走するスピードが出なかったけど、そのうちに出来るようになり、スピードを上げたままハーバーに戻る途中、水面が大きく広がったところで「チュービング」をしました。
子供達と妻が順番に乗って、私はボートを運転してそれを引っ張ります。私は引っ張るだけではつまらないので、湖に入って少し泳ぎました。
ハーバーに無事に戻る
もっとチュービングもしたかったし、迷路のような渓谷の探検もしたかったけど、あっという間に1日が過ぎてしまい、17時までにボートを返さなくてはいけないので、ハーバーに戻ります。
ハーバーではまず給油して、今度はオイルも補充しました。また発進の時エンストしたけど、何とかなって、無事、時間内にボートを返しました。あー疲れた。
満員で乗れなかったシャトルバスが戻ってくるのを待ってキャンプ場に帰り、私と息子はまたプールに行きました。プール、ジャグジー、シャワー、着替えを30分くらいで済ませて、雨がパラパラ降り出した中、キャンプに戻りました。
夕食は、ステーキ、サラダ、カリフラワースープ、サボテン(美味しい)。ビールがとっても美味しくてグイグイ飲んですぐなくなり、麦茶とゲータレードもたくさん飲みました。一日中炎天下の水面にいて、体の水分がかなり減っていたようでした。