フィッツ・ロイでご来光を迎える

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真っ暗な登山道にとりつく

パタゴニアの名峰フィッツ・ロイの直下にあるロス・トレス湖まで登ってご来光を迎えるために、夜中の2時に起きて、バナナだけ食べて、2時半に出発しました。

エル・チャルテンの街はずれにある登山道の入り口にあった案内板によると、往復20km、所要8時間、標高差767mです。

月は出ていないので、山道に入ってからは、ヘッドランプを点けないと真っ暗で歩けません。大変けしからんことに、予備電池を持って来るのを忘れてしまったので、明るくなるまで保って欲しいです。

しばらくは、しっかり登り道で、最初に標高差250mくらい上がります。展望台と書いてある標識がありましたが、真っ暗で何も見えません。

雲ひとつない満点の星で、天の川がよく見えますが、南半球の知らない星座ばかりです。それに、足元を見ていないと転ぶので、存分に星空を楽しむわけにもいきません。

55分歩いて5分休むペースで、休憩時にはナシ、サラミ、オレンジジュースなど、少しずつ食べながら登りました。

他の登山客が前後に全くいないのが不思議です。皆もっと早く登ったのでしょうか。

暗闇の中、道に迷い、電池が切れる

川の流れがある所で、突然開けて、どこを歩いたらいいのか分からない所に出ました。川沿いに進むと行き止まりです。反対の森沿いに進むと道らしき跡はあるものの、途中から怪しくなるし、オフライン・マップの道とは違う方向に向かっています。

困りました。ここで明るくなるまで待たないといけないかもしれません。3回目の休憩を取って、しばし考えます。

オフライン・マップの示す方向に空き地の真ん中を突っ切って歩いてみることにしました。すると、その先が続いていて道らしきものになり、ようやく正しいルートを捕まえました。

昨晩、maps.meというアプリのオフラインマップをダウンロードしておいて良かったです。それが無かったら登れませんでした。

さらに登ります。

段々とヘッドランプの光量が減って来て、もう死にそうです。しばらくiPhoneの懐中電灯を使ってヘッドランプは消して歩いてみました。iPhoneの方が明るいです。

ご来光に間に合うように太陽と競争する

東空の地平線がオレンジ色になってきて、ようやく空も白み始めました。

いよいよ最後の標高差400mの急登が始まります。

途中でもうヘッドランプは要らなくなりました。

前後の登山客が増えだしました。

7時の日の出に間に合うかどうか微妙です。

コースタイムの予想は概ね当たっていたけど、途中で道に迷ってロスした分だけ余裕がありません。

フィッツ・ロイの山頂部分が見え出しました。そこにまだ朝日は当たっていません。

4回目の休憩は、急坂の途中で短めに取って水を飲むだけにしました。

それから頑張って登って、7時2分前くらいにロス・トレス湖を望む稜線に出ました。間に合った!

朝日に染まりゆくフィッツ・ロイに見惚れる

じきに朝日がフィッツ・ロイに当たり始めました。ちょうど良いタイミングで登れて良かったです。

赤く染まる部分が段々広がるに連れて何枚も写真を撮りました。

写真にどうしても入ってしまうカップルの男性の方が、いつの間にか柔道着みたいなのに着替えて、フィッツ・ロイを背景に何かの技のポーズを決め、それを女性の方が撮影していました。

ロス・トレス湖周辺を探検する

フィッツ・ロイとその直下の氷河が朝日に染まるのを眺めながら、サンドイッチ、サラミ、ゆで卵を食べてお腹いっぱいです。

せっかくなので、湖の際まで降りて、氷河湖の冷たい水に触ってみました。

湖岸から左手にある丘に登ってみると、何ともう1つ別の湖が見えました。こちらまで足を延ばして良かったです。見ないまま帰っていたらもったいないところでした。

奥の氷河から滝のように氷の破片が湖に落ち込むところも見られました。

景色を楽しみながら下山する

8時になって帰路につきました。

登りは真っ暗で景色ゼロだったので、どこを歩いても新鮮な景色が見えるのがおもしろいし嬉しいです。

中腹あたりからフィッツ・ロイや周りの氷河が良く見えていたことも分かりました。

登る時に道に迷った広い空き地(写真↑)は、明るくなっても、どこが正しい道だろうとキョロキョロしながら歩くような所でした。

カプリ湖か、展望台か

右がカプリ湖、左が展望台と書かれた分岐点は、左の展望台経由の道にしました。

写真(↑)は、登る時にこの分岐点で振り返ってフラッシュで撮ったものです。登りはカプリ湖側の道を通りましたが、暗くて湖の景色は見えませんでした。

展望台に着きました。

ここは、おそらく登って来る場合に初めてフィッツ・ロイを望める場所なのかもしれませんが、下りに寄る場合は、これまでに見た景色とそう変わらないので、これならカプリ湖経由の道にすれば良かったです。

私がロス・トレス湖に登っている間に、妻は、明るくなってから途中のカプリ湖まで往復するトレッキングをしていました。その時に撮った写真(↓)ですが、湖にフィッツ・ロイが写っていて素晴らしい景色です。

かなり疲れましたが、無事に山を降りて、ホテルに12時半頃戻りました。宿から往復4万7千歩でした。

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