南紀6日目: ヤマネコ号で那智勝浦→英虞湾

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Pict0364ヤマネコ号の船首のバース(寝棚)で一晩を過ごしました。この熱帯夜の寝苦しさは、まさにカニ島の停泊地です。5時には起きて、あたりを散歩していると、日も昇ってきました。

実は、昨晩、「南米ペルーの地震の影響で、夜中に津波注意報が発令される可能性があります。十分にご注意ください。」との放送が、何度か港に流れていたのです。その後、実際に注意報が発令されて、朝起きた時には、まだ津波は紀伊半島には到達していなかったのですが、観測された所では波高10cmとかで、大丈夫そうでした。

Pict0365Pict0369那智勝浦の漁港の早朝は、マグロの水揚げと競りで始まります。朝食も、そのすぐ隣でやっている食堂で、朝からマグロ丼をいただきました。

Pict0378ここで下船するOさんに見送られて7:20に出港。島々の間を抜けて、半島を回り、三重県の五ヶ所湾まで一直線の針路をとります。いつまでも、昨日入った展望露天風呂があるホテル浦島が見えていました。

Pict0383お昼は、朝食を食べた魚市場のお店で買占めしたおにぎりのバイキング(?)です。写真のおにぎりの下には海図が写っていますが、舵輪のすぐ後ろに置いてあるライフラフト(膨張式救命イカダ)の上がチャートテーブルになっています。今日はここに伊勢の海図が広げてあります。この辺りは、リアス式海岸になっているので、島や浅瀬や岩礁が複雑に広がっていて目が回りそうです。

Pict0388今日の目的地は、五ヶ所湾に入ってすぐ右側にある宿浦という所です。海図には、そこに進入するための進路と目印が既に航海士のHさんによって記入されています。その通りに進入して行くと、海図にはない防波堤の切れ目があって、そこからまっすぐ港に入る方が簡単そうですが、そうせずに計画通りのルートで入っていきます。実際には、定置網があったり何かのブイがあったりで、それらも避けながら進みます。

Pict0391宿浦の港に入ってみると、岸にはなーんにもありません。お風呂に入れそうな所も食事が出来そうな所も近くにあるようには見えません。T船長が、ここじゃしょうがないねと言って、先ほどの海図には無かった切れ目から港を出て、隣の英虞湾に向かうことになりました。

えーっ、それはスゴイ! 海図上の英虞湾は、実に複雑で、浅瀬や岩礁だらけで、とっても慎重に進まないとすぐに座礁しそうに見えます。私としては、ハラハラドキドキの興奮する航海が始まりました。

Pict0393遠くから目印となる灯台やブイを双眼鏡で探し、ブイからブイへとたどりながら、安全な進路をはずさないようにして、浜島という所に入って行きました。ヤマネコ号をつけられそうな桟橋か岸壁を探しますが、なかなか良さそうな所が見つかりません。取り合えず、漁港の浮き桟橋に着けることにしました。

木製の浮き桟橋なのであまり丈夫そうではないし、もやい綱も手近なロープに結び付けているだけなので、そのロープが切れたりすれば、ヤマネコ号は流されてしまいます。船長は漁協に交渉に行っていて、なかなか戻ってこないので、他のクルーも1人2人と桟橋に降りて、ふと気づくと、ヤマネコ号に残っているのは私と女性と足の怪我からのリハビリ中で杖をついているMさんだけです。ここで流されたら私はどうやってヤマネコ号を繰るべきだろうかと頭の中でシミュレーションしている間に、船長が戻って来ました。

Pict0396漁協前の桟橋を離れて、さらに狭い入り江の奥に向かうと、生簀と浮き桟橋があり、そこにヤマネコ号を着けました。民宿のプライベートな桟橋のようで、その宿に3人が泊まり、お風呂と朝食は全員でお世話になることになりました。

Pict0401Pict0403まずはお風呂に入り、夕食は、近所の海鮮料理の「ヨット」という名前のお店で、刺身と焼き貝とマグロ茶漬けをいただきました。焼き貝はそう食べる機会もないので、とても美味しかったです。

昨晩は船室で暑くて寝苦しかったので、私は、浮き桟橋に毛布を敷いて星を見ながら野宿することにしました。天の川もしっかり見えるし、流れ星も見ました。カシオペアと北斗七星の両方も見えます。寝る時には天頂に白鳥座がありましたが、夜中に目が覚めた時には冬の星座のオリオン座まで出ていました。一晩中気持ちの良い風が吹いていて、毛布をかけてちょうど良いくらいでした。

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