ピレウス入港
日の出前の朝焼けがきれいな7時頃、ノルウェージャン・エピックは、ピレウスに入港しました。

さすがに海運国ギリシャ最大の港だけあって、たくさんのフェリーがひっきりなしに出入りしています。
憧れのコリントス運河に再会
今日は、ピレウスからコリントス運河を訪れる寄港地ツアーに参加します。ちょっと思い入れがある運河を実際に船で通りもするとのことで、迷わず予約しました。今回の地中海クルーズで旅行前に予約した唯一の寄港地ツアーです。
学生時代にバックパッカーとしてヨーロッパを旅行している際、イタリア行きフェリーが出るパトラへアテネから列車で向かう途中、コリントス運河を鉄橋で渡ったのですが、細くて深くて長い運河の景色に驚愕し、車窓から一瞬見えただけで写真を撮る暇もなかったので、いつかまたじっくり見たいと思っていたのでした。
その憧れのコリントス運河に、45年ぶりに再会できました。そうそう、こんな景色でした。記憶のイメージそのままです。

上の写真がイオニア海(イタリア南部とギリシャの間)に通じる方で、下の写真がエーゲ海に通じる方です。

近くのショップに、この地の新旧を対比するポスターが貼られていました。古代ギリシャでは、コリントス地峡を横断する石畳の道路を作って船を運んでいたのです。

古代ローマ時代にも、実際に運河の開削が試みられたのですが、結局、開通したのは19世紀の終わりになってからでした。
古代ギリシャやローマの人に、この完成した姿をぜひ見せてあげたいものです。
コリントス運河を船で往復
上からじっくり運河を眺めた後、いよいよ船に乗ってエーゲ海側から運河に入ります。狭い運河は片側交互通行なので、通行可能な時間になると、たくさんのプレジャーボートが一斉に運河を目指して出航しました。

乗っている船は、船団のしんがりを務めます。なぜならば、運河を通り抜けたところでUターンしてまた戻って来るからです。

両側にそそり立つ崖は、高い所では79mもあります。

途中で水路が少し広くなっているところがありました。緊急時に船が待避できる場所のようですが、水深はあまり無さそうに見えました。

大掛かりな工事が行われている所もありました。崖の上のパワーショベルが、崖っぷちギリギリで仕事をしていて、下から見ていてハラハラしました。

運河を通り抜けて水路が広がった所で船はUターンして、また運河に入って行きます。

素晴らしい体験ができて嬉しかったです。
古代コリントス遺跡を見学
次に、古代コリントス遺跡を訪れました。日差しが強くて暑い日だったので、木陰から木陰へと移動しながらガイドの説明がありました。

付属する考古学博物館も見学し、美しいモザイク画も残っていましたが・・・

正直、運河クルーズでお腹いっぱいになったので、遺跡の方はあまり身が入りませんでした。
帰りに工芸品のワークショップというか土産物屋に寄りましたが、こちらの方がおもしろい展示品がたくさんありました。

「最後の晩餐」を描いた絵はよく見かけることがありますが、このように緻密な石造りのアートは初めて見ました。
ピレウス出港
1時間以上ツアーが延びて、予定していたアテネの考古学博物館に行くのは時間的に厳しくなったので、そのまま船に戻ってピレウス港の景色を楽しみました。
近くにボイジャー・オブ・ザ・シーズ(13.7万トン)が接岸していました。

双眼鏡で見ると、船首のオープンデッキが船客に開放されているようです。航行中も立ち入りが許されているのであれば、前方の景色を眺めるにはとても良い場所なので、うらやましいことです。
夕食をいただき、出港風景を眺め、シアターでマジックショーを観てから船室に戻ると、ちょうど日が沈むところでした。

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