オークランド:海洋博物館、オセアニアクルーズへ出港

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船旅荷物からの解放

いよいよクルーズ出港日を迎えましたが、滞在したアパートのチェックアウトは9時までと早く、クルーズのチェックインは11時からなので、その間、荷物をかかえてどうするかが懸案です。

ネットで調べた港のコインロッカーは昨日偵察に行くと見当たらず、荷物預かりは高額すぎてできれば使いたくありません。

クルーズ船が出港するクイーンズ・ワーフまでは1.5kmほどの下りか平坦な道なので、まずは荷物を転がしながら歩いて行ってみると、チェックイン前に荷物だけ先に預けることができて、身軽になりました。ラッキー!

海洋博物館で見たレーシングヨットの技術と歴史

まずは、楽しみにしていたニュージーランド海洋博物館の見学です。

博物館の横には格好いい帆船がいくつも係留されていて、オプション料金を払って乗ることも可能なようですが、今日は残念ながらそこまでの時間はありません。

館内の展示は予想以上に充実していて、昔のマオリの船、いろいろなクラスのディンギー、たくさんの客船模型などもありましたが、このバケツリレーみたいなのが付いた船は初めて見ました。

近くにいたかなりお年を召したスタッフに聞くと、港内の水深を確保するために海底の土砂を浚渫(しゅんせつ)する船だそうで、若い頃に実物を見たことがあるそうです。

以上は前座で・・・

この博物館の1番の目玉は、世界最高峰のヨットレース「アメリカズカップ」で、チーム・ニュージーランドが1995年に優勝した時の艇「ブラック・マジック(NZL32)」の展示です。

館内に収めるためにマストとセールの上部は切り取らざるを得なかったようです。

従来艇に比べてキールが深い分、安定性を増していて、先端の鉛バラストに付けられたフィン(水中で揚力を生じます)が、さらに安定性や風上性能の向上に貢献していたようです。

真正面から見ると、とてもほっそりしていますが、従来艇より細く長いスピード重視の船体にしたことも優位点でした。

スリムと言っても、上から見るとこれだけの幅があり、意外とスッキリした感じです。

船首側です。屈強な男たちが猛スピードでハンドルを回転させている様子が目に浮かぶようです。

この艇を繰る16名のクルーそれぞれの役割と配置の説明パネルを読みながら艇内の各装備を見るのはおもしろかったですが、やっぱり実際に動いているところを見てみないとよく分からないところが多々ありました。

ちなみに、博物館の外にはニュージーランドが1988年に初めてアメリカズカップに出場した時の艇「KZ1」も展示されています。

これはこれでスケールも技術力も凄い艇だったのですが、結果的には、米国の革新的なカタマラン(双胴艇)に完敗しました。

ウォーターフロント散策

せっかく「帆の街(City of Sails)」とも呼ばれるオークランドに来ているので、クルーズ船に乗船するのはもう少し遅らせて、ウォーターフロントを散策することにしました。

ヴァイアダクト・ハーバーからウィンヤード・クォーターへと歩いて行くと、大型のモーターヨットと、その後ろに3本マストの大型の帆船が見えて来ました。その手前にずらりと並ぶのは普通サイズのクルーザーですが、後ろの船が巨大過ぎて、まるで赤ちゃんのようです。

3本マストの帆船を近くから見たかったのですが、手前の船に隠されていて、それ以上先には行けず、マストしか拝めませんでした。

正午をまわり、クルーズ船が出るクイーンズ・ワーフに戻ることにしました。途中にある歩行者専用の跳ね橋は、渡り終わった途端に一時通行止めになって開き始めたので、振り返って開き切るまで見届けました。

ノルウェージャン・サン号に優先乗船

今日からオセアニアクルーズと東南アジアクルーズを続けてシンガポールまで27泊乗船するノルウェージャン・サン号(7.8万トン、船長258m)は、ノルウェージャン・クルーズラインのクルーズ船の中では比較的古くて小さい船で、乗船するのは初めてです。

チェックインカウンターには長蛇の列ができていてごったがえしていました。

今回のクルーズではETA(電子渡航認証)やビザが必要なオーストラリアとインドネシアに寄港するので、チェックイン時にそれらをちゃんと事前取得しているか、取得したETA/ビザに記載の名前のスペル・生年月日・パスポート番号などに間違いがないか、1人1人厳密にチェックされるため、非常に時間がかかっていました。

ノルウェージャンのロイヤルティ・プログラム(航空会社のマイレージみたいなもの)のステータスがプラチナ以上だと優先チェックイン・レーンを使えるので、それほど待たずに済み、ありがたかったです。

ちなみに我が家は前回までのプラチナから今回はサファイアになりました。本当にありがたい多くの特典はプラチナでもらえていて、サファイアで追加されて嬉しいのは、寄港地ツアー料金の割引が10%から15%に増えたことです。

最安バルコニー付き船室+クルーズ用eSIM

9階右舷船首寄りの9225号室がオセアニアクルーズの間の我が家となります。展望エレベーターのすぐそばで、船内のどこに行くにも便利です。

既にスーツケース2つは運ばれて来ていたので、さっそく荷物をあちこちに収納しました。

この船室には、窓側と洗面所側の両方にキャビネットがあるし・・・

クローゼット内にも棚があって、収納力は抜群で余るほどでした。

しかし、洗面所は狭く、シャワーブースはカーテンの仕切りで、体の大きな人は大変そうです。

今回は、「バルコニー付きならどんな場所でも構いません、いろいろな特典もなくて結構です」というバルコニー付き船室の中で最安プラン(セール・アウェイと呼ばれています)で申し込んだので、普通は付いてくる1人300分までの無料ネット使用権がありません。

寄港中は、日本の携帯プランに付属の海外無料使用分や国ごとの数百円程度のeSIMの購入で何とかなりますが、終日航海日でもネットがある程度使えないと困ります。

船の有料プランは非常に高額なので、今回初めてGigSky Cruise + Landという洋上でも寄港中でも使えるeSIMを、ラッキーなことに今日から始まった1つ目20%引、2つ目40%引きというキャンペーンを利用して、私用と妻用に買って使い始めました。

明日からの終日航海日でどのような使い勝手なのか楽しみです。

オークランド出港時の出会い

チェックイン行列の解消に時間がかかったせいかどうかは分かりませんが、予定より1時間遅れの19時に船は岸壁を離れました。

港の出口に向かう途中、右手にコンテナ基地、左手に昨日訪れたデボンポートが見えました。

振り返ると、きれいな夕陽をはさんで、左手にオークランドのダウンタウン、右手にハーバーブリッジが見えました。

そういう景色を船首のデッキで楽しんでいたら、隣の西洋人男性から日本語で話しかけられ、ちょっと会話していると、そこにやって来たその方の奥さんが、日本人でした。

そのR&M夫妻は、ハワイのワイキキビーチ在住で、このクルーズの一つ前のオーストラリアからニュージーランドへのクルーズから続けて乗船されているそうです。とても感じの良いご夫婦で、また船内で会った時にお話しするのが楽しみです。

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