スタヴァンゲル寄港:旧市街歩き、フィヨルド遊覧船、石油博物館

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本物の手書き航海日誌

MSCプレチオーサは、ロフォーテン諸島を出航した夜の間に北極圏を出ました。

翌日の北海を南下する終日航海日には、船のナビゲーション、安全、環境保護に関する用具の展示と説明がありました。

その中で見せてもらえて写真もOKだったのが、本物の航海日誌です。

2時間毎に気象や船の状況が手書きで記録されていました。

島とビルの間をすり抜けて入港

その翌朝、船は、ノルウェー最南西端に近いスタヴァンゲルに入港です。ここが、今回の北欧クルーズで最後の寄港地となります。

港の真ん中に小島が浮かんでいるため・・・

船がそれを避けてかなり狭くなった水路を通る際には、目の前にビルが見えてビックリでした。

ビルの住人も驚いたかもしれませんが、スタヴァンゲルは人気の寄港地なので、目の前をクルーズ船が通るのは見慣れた光景なのかもしれません。

船は、港内でタグボートの助けも得て180°転回し、写真左奥に見えている最奥部右側の岸壁に後進で接岸しました。

写真の右上のオレンジの船は、船体が半分に切られたかのようですが、元々このような形をしている航洋支援船で、ノルウェーの北海油田が近いので、その支援にきっといろんな仕事があるのでしょう。

とても見応えのある入港風景でした。

朝の旧市街を散策

9時前に下船して、対岸の旧市街を歩きました。石畳に木造の建物が並び、とても良い雰囲気です。

ほとんどのお店が開店前なので、日中は観光客でごった返す通りですが、まだ人通りも少なく、静かな散策ができました。

大聖堂まで歩いて行き、10時に開くのを待っていると、10時の鐘を聞けました。

堂内は、入って見る価値はありましたが、特にすごくはなかったです。

イワシ缶の博物館

次に、缶詰博物館を見学するために、船が接岸した岸壁の山側の通りに入ると、ここも旧市街で、特徴的な白い壁の家々が並んでいました。

缶詰博物館に入り、前半の印刷関係の展示はざっと見るだけで通り抜けましたが、後半のイワシ缶に関する展示はおもしろかったです。

イワシ(実物大の模型)をどれだけたくさん缶の中に詰められるか試せるコーナーがあったので挑戦してみましたが・・・

妻には負けました。

リーセフィヨルド遊覧クルーズ

お店でランチを食べる時間はなくなってしまったので、予約しておいたフィヨルドクルーズの乗船待ち行列に早めに並び、1階船室内の一番前の良い席を確保して、持ってきたフルーツでランチ代わりにしました。

予定の12時ちょうどに出航し、狭い水路と橋を通り抜け、別のフィヨルドをしばらく進み、1時間弱で目的のリーセフィヨルドの入り口まで来ました。

船は、大きく左に曲がって、ノルウェー5大フィヨルドの一つ、リーセフィヨルドに進入し、橋をくぐって、どんどん奥へと進みます。

ここは、奥の方まで細長い水路が見渡せて、両側は崖で、とてもフィヨルドらしい景観です。

リーセフィヨルド内で4つの見どころがありました。

その1つ目は、小さな入江のぎりぎり奥まで船首を突っ込んでいきました。

2つ目はなんと羊です。崖の下のわずかな草地にいた2頭の羊が、船が近づいて行くと岸辺の岩までかけ降りて来ました。

船首に付いているギャングウェイをその時だけ延ばして、船員がそこから羊たちに餌をあげました。

3つ目が、このクルーズのハイライトであり、リーセフィヨルド最大の見どころであるプレーケストーレン(教会の説教壇という意味)です。崖のはるか上の方に小さく見えてきました。

ズームするとより分かりやすいですが、崖の上の中央の少し突き出している岩です。

そこまで片道2時間かけて登るハイキングツアーがあり、それも魅力的だったのですが、今回は下から見上げるフィヨルドクルーズの方にしました。岩の上から見渡すフィヨルドの景色は、さぞスリリングで美しいことと思います。

最後の見どころは、滝でした。すぐ近くまで船が寄ったので、わざと水を浴びてびしょ濡れになっている人もいました。

今回ノルウェーで見たフィヨルドの中で、天気に恵まれたおかげもあり、一番良い景色を楽しめました。

おまけの海洋博物館

缶詰博物館の入館券で無料で入れるので、船を降りてすぐ近くにあった海洋博物館を見学しました。

あまり期待せずに入りましたが、思ったより展示スペースは広くて、それなりに楽しめました。

海洋石油プラットフォームについて学ぶ

最後に、朝歩いた旧市街をまた通り抜けて、石油博物館を見学しました。(ここも缶詰博物館の入館券で半額になりました。)

産油国のノルウェーは、北海、ノルウェー海、バレンツ海に大規模な油田・ガス田を持っていますが、いずれも海の中なので、このモデルのような大規模で複雑なプラットフォームを築いて採油します。

その海面下には、プラットフォームを支える巨大な脚があり、まるで氷山のようです。

水深200m程度までなら、上のような固定式プラットフォームが可能ですが、もっと深い場合は、浮かぶプラットフォームをチェーンやアンカーで係留します。

そういうことが学べて、すごくおもしろい博物館でした。

ちなみに、ノルウェーでは1980年にプラットフォームの脚に亀裂が入って横転し123名が死亡する悲惨な事故があり、そのことについての説明展示もとても興味深いものでした。

怖そうだけど乗ってみたい救命艇

17時過ぎに帰船し、夕食をすませ、20時からバルコニーで出港風景を眺めました。

先ほど歩いた缶詰博物館の近くの旧市街の白い家々を目の前を見ながら船は進みます。

港の狭いところを過ぎてすぐ左舷側に、スタヴァンゲル・オフショア技術学校がありました。ノルウェーのオフショア産業(石油・ガス)を支えるスキルや技術を教育する機関です。

目が留まったのは、写真右端の自由落下式救命艇です。このタイプの救命艇を備えた船を少なからず見かけたことがありますが、写真の救命艇は、この学校の学生が発進手順や乗船方法を体験するための訓練設備だそうです。

見かけはとても怖そうですが、一度肝試しに乗ってみたい気がします。

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