虹のモルデ入港
6時に起きると、船はミッド・フィヨルドを東北東へ進んでいました。船尾向きの船室なので、船旅情緒をかき立てる航跡をいつでも眺められるのは嬉しいです。

切り立った海岸の狭い岸辺に建つ家々や、魚を養殖している定置網など、ノルウェーのフィヨルドらしい景色です。

モルデ港に接岸後、本降りの雨が降りましたが、その後に虹が出ました。今日は午前は雨、午後は強風の予報です。

昨晩からの船の航路(下図青線)を見ると、オーレスン(Alesund)に入港するかのように東南東に向かった後、また引き返して、モルデ(Molde)に向かっています。モルデ入港時刻は予定通り8時頃だったので、時間調整のために遠回りしたのでしょうか? 謎です。

今日は、フィヨルドをいくつか渡って南東方向にある「トロールの通り道」と呼ばれるつづら折を訪れる船の寄港地ツアーに参加したかったのですが、クルーズを予約した時点で既に満席だったため、もう一つの絶景ドライブコースである「アトランティック・ロード」を訪れる現地ツアー(上図赤線)に参加することにしました。
アトランティック・ロードを渡る
満席のツアーバスは10時前に出発し、雨が降ったり止んだりする中、今日は通常とは逆コースに回るとのこと。
小島が浮かぶコルンスタ・フィヨルドの対岸のアヴェロイ島に渡るのに、フィヨルドの大西洋への出口にたくさんある小島をいくつもの橋で結んで造られたのがアトランティック・ロードです。

いよいよその橋を渡ります。

次々と現れる橋を渡って行きます。

最も映える橋を渡るところです。この先の駐車場に帰り道で寄ってゆっくり写真を撮らせてくれるとのことで、今は通過するだけです。

アヴェロイ島に入って反時計回りに一周するように進む途中、道端にたくさんの木彫りの像が並んでいました。

ここでも魚の養殖をしている定置網を見かけました。

帆船模型がある木造教会
ツアーの最初の目的地は、島の最東端にあるクヴェルネス村のスターヴ教会です。

スターブ教会とは、ヴァイキングの造船技術を応用して釘を一本も使わず、すべて木材だけで造られたノルウェー独自の建築様式の教会です。
教会の内装も木材だけで、とっても雰囲気がありました。

天井から吊り下げられていた古い木造の帆船模型も素晴らしかったです。

航海安全を祈願して船の模型が教会に奉納されることはよくあるそうです。
そのすぐ隣には、現役の新しい教会が建てられています。

新教会は旧教会より広く、コンサートにも使われているそうです。

教会の庭から望むフィヨルドの景色も良かったです。

強風の遊歩道
バスはまたアトランティック・ロードへ戻って今度は駐車場に入り、しばらく自由時間があったので、ゆっくり橋の写真を撮れました。

小さな丘を一周する遊歩道を歩くと、左側は荒々しい岩場に波が打ち寄せていて・・・

右側は花が咲く緑の斜面でした。

予報通りの強風に耐えながら歩きました。
「世界最北のビーチ」と言いたいビーチ
帰りは大西洋岸の別の道を通って、入江の奥にあるビーチに寄りました。「世界最北の南方タイプのビーチ」とうたっているのですが・・・

「南方タイプ」というのは「南の島にいるような景観・雰囲気」くらいの意味らしく、なんとかして「世界最北のビーチ」と言いたいがために、かなり無理している感じでした。
線状の島々と222の峰々の絶景パノラマ
ツアーバスは、モルデで行きたかった場所の一つ、ヴァーデン展望台に最後に寄りました。モルデの街を見下ろす山の上にある絶景スポットです。
まずはMSCプレチオーサに目が行きますが、フィヨルドに浮かぶ島々が線状に連なっているのは、他のフィヨルドでは見なかったユニークな景色です。

そして見逃せないのが、奥に見える山々で、ここは、222もの険しい峰々(多くが標高1,000m以上)を一望できる展望台として知られています。

あいにく雲に覆われていて、222の峰の一部しか見られませんでしたが、雪が山にもっと残っている季節の晴れ渡った日に眺めて見たいものです。
モルデ街歩き
ツアーが15時頃に終わった後、個人でモルデの街歩きをしました。
まずは街の中心にある広場に行きました。この広場に面して教会と市庁舎(左奥)があります。

モルデは「バラの街」と呼ばれているのですが、市庁舎の屋上がバラ園になっていました。

広場から海岸沿いに東の方へ歩いて行くと、小さなフェリーが接岸していました。フィヨルドの中に浮かぶ小さなセッケン島に渡るフェリーです。

人口数百人ほどの小さな島なのに、フェリーがほぼ3時間毎に出ているようで、道路が繋がっていない多くの場所に人が住んでいるノルウェーでは、ほとんどバスに乗るような感覚なのかなと思います。
色々な船が見れた楽しい散歩を終えて、MSCプレチオーサの我が家に戻りました。
北極圏に入り海神ネプチューンのパーティ
翌日の終日航海日の午前中に、船は北極圏に入りました。
アイスランドより高緯度で、飛行機で上空を通過したのを除けば、これまでに行った最北記録を時々刻々と更新中です。
さっそく船では北極圏入りを記念する盛大なお祭りがあり、スタッフがホッキョクグマ、トナカイ、カニ、(北極にはいないはずの)ペンギンなどに扮して出て来ました。海神ネプチューンに扮しているのは、スタッフっぽくなかったので船客代表かもしれません。

Tシャツに想い想いの絵や言葉を描いたのを着て、パレードして、踊って、海神ネプチューンの洗礼を受けました。

その晩は、白夜を体験するために、船室の遮光カーテンを開けたままにして寝ました。2時頃に一度目が覚めましたが、明るかったです。
カーニバル用の仮面作り
翌日も終日航海日で、船はヨーロッパ大陸の最北端を既に過ぎて、バレンツ海をさらに北上しています。
MSCのクルーズでは、日によってカジュアル、エレガント、ホワイト/ギャラなどのドレスコードがあり、私はそれが面倒なので、いつもはカジュアルなノルウェージャン(NCL)のクルーズ船に乗っています。
今夜はカーニバルパーティがあるようで、ドレスコードは何とカーニバル。そんな服の持ち合せは無いですが、午前中に仮面作りに参加して、思い思いの作品を作りました。

明日の寄港地はハードなので、結局、これを被って踊る夜のカーニバルはパスしました。
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