ポーランド航海日誌05: 広大なビスワ川を標識をたどって下る

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寒くても快適な船でマルボルクを出発

ずっと暑い日が続いていたので、まさか毛布も暖房も使うことはないだろうと思っていたけど、昨晩から気温がどんどん下がって、夜中にどちらも使うことになりました。暖房はよく効いて、本当に快適な船です。

マリーナを出発し、橋をくぐると左手にマルボルク城がしばらく続きます。朝は逆光ですが、しばらくゆっくり進んで、気に入った城の見納めをしました。

簡単な方法でロック通過を試すも腰が痛くなる

次のロックに電話して、いつもの呪文を唱えました。通じたようです。

船を1隻追い抜きましたが、こちらは寒くて長袖にウィンドブレーカーまで着ているのに、上半身裸のおじさん達がビールらしきものを飲みながら乗っています。

ロックに着いた時にはまだ水門が開いてなかったので、手前で漂いながら待ちました。ようやく開きだしたけど、船が出て来るかもと思ってすぐには入らずにいたら、後ろに追いついて来たさっきの船からプップッとやられました。

昨日のロックで見かけた船の真似をして、今日は船の真ん中に留めたもやい綱1本だけをハシゴに掛ける方法を試してみました。

後ろに1隻いるので、ロックの前の方に着けたため、ロック前方から注水される水の勢いで船首が壁から離れそうになります。船の真ん中を支える1本のロープだけでは抑えきれず、結局、少し船首の方に歩いて行って、ハシゴを直接手で掴んで引き寄せたりして、何とか船を壁に寄せておくことができました。

でも、その時に無理な体勢で力をかけたので、その後の数日間は腰が痛かったです。

観光名所なロックをじっくり見学する

次のロックは、ちょっとした見所なので、手前の桟橋に船を着けて、まずはランチを済ませ、ロックの見学に行きました。

昨日のロックで会ったドイツ人カップルの船が、ちょうどやって来たので、ロックを通り抜けるところを上から見物しました。

ロックキーパーの方には2度手間になって申し訳ないですが、「ハロー、今から私のボートも通ります。」と声をかけて、ボートまで戻り、もやい綱を解いて、その間に開いてもらった反対側の水門からロックに入りました。

今度は1隻だけなので、ロックの後ろの方に船を停めたため、ハシゴにもやい綱1本掛けただけでも、注水時に船が流されることはありませんでした。それに、そもそも水位差があまり無いロックでした。

広大なビスワ川に出て、さっそく座礁する

ロックを抜けると、いよいよポーランドを縦断する大河、ビスワ川です。川幅は300mくらいもあります。

まずは川の真ん中を走り始めたら、いきなり前方に大きな砂洲が現れました。でも、そのどちら側を通れば良いのか分かりません。

最初左岸の方を目指し、やっぱり右岸側からと迷っているうちに、川の流れで砂洲の方に流されて底を擦っているようです。後進して抜け出してやり直そうとするけど、川に流されてまた何度か砂洲に捕まりました。

かなり後進してから右岸側からやり直すと、やっと抜けられました。ビスワ川は手強いです

前の方を進んでいるドイツ人のボートも、さっきから川の流れに直角方向に行ったり来たりしているように見えます。砂洲を探して避けるのがこんなに大変なら、今日の目的地のトチェフまで、いったいどれだけ時間がかかるのでしょう。

標識を頼りにビスワ川を間切って下る

クルーズの出発前にウーカスさんから、ビスワ川の航行の仕方については、下の図を使って説明を聞いていました。蛇行する川のインコースは砂洲で浅くなっているので、アウトコースを通る必要があるのですが、岸からは砂洲よりももっと怖い堰堤が護岸のために突き出しているので、砂洲に座礁するのはいいけど、堰堤には絶対にぶつからないようにと言われていました。

堰堤は水没していることもあって必ずしも見えているとは限らないので、目安としては、300mの川幅の中で、岸から100mくらい離れた所を進むと良いとのことです。

川のどちら岸寄りに進むかは、川岸に立っている標識が頼りです。左岸の黄色-緑から緑-黄色の標識までは、左岸寄りに行きます。左岸に緑-黄色の標識があれば、右岸の赤-黄色の標識を探して、そこに向かって川を横断します。そこから次の黄色-赤の標識までは右岸寄りを行きます。

つまり、緑→緑(左岸寄り)、黄色→黄色(左岸から右岸へ横断)、赤→赤(右岸寄り)、黄色→黄色(右岸から左岸へ横断)の繰り返しとなります。

それからは、標識を探しながら教わった通りに間切って進みました。

下の写真では、右岸に黄色の+と赤の□の標識が立っています。ここまで右岸寄りだった航路が、ここから左岸寄りに変わることを示す標識です。このように背景が空だと見つけやすいのですが、木と重なっていると探すのも苦労します。

最初は、2人の目で探しても標識がなかなか見つからず、緊張が続きましたが、そのうちにちゃんと見つけられるようになって、そう難しくなくなり、むしろ面白くなってきました。

トチェフの歴史的な橋を望む桟橋に停泊する

トチェフの街には、最初に恐れたほど時間がかかることなく着きました。Uターンして左岸の桟橋にもやい、川と鉄橋の景色を楽しみながらケーキとコーヒーのおやつにしました。

一息ついた後、まず川沿いに鉄橋まで歩きました。右側が19世紀半ばに架けられた当時は世界最長だった橋ですが、今は閉鎖されています。左側は現役の鉄道橋で、3日後に電車でここを渡ることになります。

第2次世界大戦勃発時には、ドイツ軍がこの橋を確保しようとしましたが、ポーランド軍がそれを阻止して爆破しました。

夕食は、船を着けた桟橋横のレストランで外食にしました。随分待たされたけど、ベーコン・卵・ソーセージのスープ、ビーフのタルタル、ボークフィレの赤キャベツソース、地元の黒ビール、ミックスフルーツジュースの美味しい夕食でした。

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