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本来「トップスルスクーナー型」であるヤマネコ号には、これまでずっと横帆のフォアトップスルをあげたことがありませんでした。しばらく前に、横帆を張るためのヤードは取り付けられたのですが、今回は、いよいよ初めて横帆を上げて帆走することとなりました。
まずデッキ上でアッパーヤードにたたんだ横帆をきれいに取り付けます。
フォアマストに帆船「海星」の元クルーの方々が登り、デッキからアッパーヤードリフトを引いて、それを引っ張り上げます。
アッパーヤードをフォアマストにしっかり取り付けて、出港準備OK。ここまで1時間の作業でした。
10時ちょっと前に出港し、メンスル、フォアスル、フライングジブ、ロワージブの4枚を上げました。残りの帆は、フォアトップスルを上げる邪魔になるので、まずはここまでです。
海星の元航海士の方が、するするとマストを登って、メンスルのピークハリヤードのよじれを取ってくださいました。少しの不具合も見逃さずに対処するのはさすがです。これからいろいろと教えてもらえそうで楽しみです。
船を風下に向け、しばらくの間、タックもジャイブも必要のないコースにして、フォアトップスルを展開する準備をします。まず、横帆の下の隅をロワーヤードの先に取り付けます。横帆の下辺がロワーヤードよりかなり短かいため、左右のバランスを取って取り付けるのはなかなか大変です。
いよいよ、デッキからアッパーヤードリフトを引いて、横帆を展開します。初めての作業なので、展帆の準備の最初から全て完了するまで、約1時間かかりました。
初めてあがったフォアトップスルが追い風をはらんで、ヤマネコ号のスピードがぐんぐん上がりました。これ以上の帆を張るのは怖いくらいです。
ジャイブして、大瀬崎を過ぎて、陸で風が少しさえぎられる所まで行き、今度はフォアトップスルをたたみます。これは数分の作業でした。
残りのセールを全て上げて、最初はクローズホールドでタックしながら、途中からはお腹が空いたので、機走しながら内浦湾の奥まで戻り、遅い昼食にしました。
もう一度フォアトップスルを上げられるように、食事を大急ぎで済ませた後、風も少し落ちたので、今度は本当に8枚全ての帆を上げて念願のフルセールでのヤマネコ号の帆走をついに実現しました!
ちょっと離れたところから並走して、ヤマネコ号の勇姿を眺めてみたいものです。
存分に帆走を楽しんで、陽が沈んだ後、航海灯をつけて、帰港しました。
横帆1枚なのに、12本もロープが増えて、まだまだ何度も練習しないとスムースに帆を開いたりたたんだりできませんが、やはり、その複雑さに、帆船ならではの面白みがあります。
Gさんはじめ、元海星クルーの皆さん、これからもぜひよろしくお願いいたします!
12/13: 艇速のチャートも追加しました。こちらは、緑がフォアトップスルをあげる前、赤があげた後です。(航跡の緑・赤とは対応していません。)
コメント
フォアトプスル無事に揚がってよかったですね。この様子はぜひ併走して眺めてみたいものです。またの機会があれば、予定を教えて下さい。できれば拝見しに行きたいと思います。
ところで、GPS の記録で、トプスル有り無しでの艇速の差は分からないでしょうか。
またフォアトップスルをあげる時にはお知らせしますので、ぜひぜひ、並走しながらヤマネコ号の勇姿を写真におさめて見せてくださ〜い(^^)。
艇速は、風もだんだん強まっていったので単純にフォアトップスルだけの差では無いですが、上げる前が3ノットくらいで、上げてトリムして風も強まってきて、7.5ノットまで加速していきました。まだこの時点では、ロワーステイスル、メイントップスル、アッパーステイスルは張らない状態ですが、これ以上帆を追加すると、ちょっとマストが心配というくらいでした。
艇速チャートもブログ記事に追加します。緑がフォアトップスルを上げる前、赤が上げた後で、ぐんぐんと加速しているのがよく分かります。