この記事は約3分でお読みいただけます。
リテラリー・アウトドア・イベントと称して、物語の舞台を現実の世界で訪ねるアーサー・ランサム・クラブ(ARC)のイベント。課題図書は、朽木祥さん著『風の靴』、舞台は、神奈川県の三浦半島西海岸です。(以下、青字イタリック体の部分は『風の靴』からの引用です。)
ARCから13名、4月の猿島イベントで知りあったカヤック乗りのビール艦長さんとその仲間の方が4名、合計17名が、9艇のカヤックに乗って、三戸浜から11時過ぎに相模湾に漕ぎ出しました。
浜から海に向かって右手には、てっぺんに家がある「黒崎の鼻」。本に出てくるヨットのウィンドシーカーは、この半島を過ぎて、三戸浜の湾を横切り、左手の次の半島を回って風色湾に入って行きます。
我々も左手の半島の先を目指しますが、強い向かい風に向かって、数十cmある波を越えて漕いでいくので、ちょっと手を休めると、風に流されてカヤックが後戻りしてしまいます。「風速六メートルくらいだね。波が光ってる。」
全く本の通りなのが嬉しいです。「半島を過ぎたら、大壺マリーナの白いマンションが四棟見えるからね。大壺シセーリアっていう。」…左手に石積みの突堤とテトラポッドが見えた。
ウィンドシーカーと同じように、マリーナとテトラポッドの間を抜けて、カヤック隊は風色湾(小網代湾)に入ります。左手の浜に上陸して、ちょっと休憩。風に流されやすいインフレータブル型のカヤックや、スピードの出るシーカヤックなどの混成の艦隊なので、メンバーとカヤックを少し入れ替えて、スピードにあまり差が出ないように調整しました。
ヨットは八列に並んでいた。それぞれにだいたい六艇くらい。…前から三列目、いちばん左に泊めてあるのが、アイオロスだ。その通りの場所に係留してあったクルーザー、もちろん名前は違っていましたが、これがアイオロスなんだなあということにしました(笑)。
ヨットの向かって左手には、湾に沿って風色の森が迫り、鬱蒼と茂った木々がさまざまな緑をたたえて、まるでもうひとつの森のように水面に姿を映していた。…湾の岸辺には、森を背にして、ちらほら小さな家が見えた。別荘として使われている家々だ。本の主人公の少年が大好きだったおじいちゃんの別荘は、貝がはめこんである漆喰の壁の家なのですが、それは残念ながら確認できませんでした。
小さな桟橋の左手に広がる風色の浜は、小さいがきれいな弧を描いている。浜辺の正面にはカヌーのクラブハウスがあった。我々の艦隊も、そこに上陸して、昼食にすることにしました。
(続く)
コメント
週末は苦しい土人ライフの中でもがいていた身には輝かしくもおうら山吹きな世界です。素晴らしい!
梅雨入り前ぎりぎりセーフで、物語の世界を堪能できて、良かったです。海外旅行とか国立公園とかでなくても、身近な場所でも、物語の世界で一緒に遊んでみることで、何て楽しいんだろう!と思います。
秋には第2弾の『わんぱく天国』をやりたいと思っていますので、ご都合がつけばぜひご一緒にどうぞっ!
予定があわずに残念でしたが、せめてと思って本は読みました。初めて読んだ作家さんでしたけど、素敵な世界でした。
また企画してくださいね。
今回は参加できず残念でしたね。私も初めて読んだ作家さんでしたが、図書館で新作の『引き出しの中の家』を予約しておいたので、来週読む予定です。
朽木さんの本は、『かはたれ』『たそかれ』もぜひ読んでください! ここ数年読んだ本の中で私のベストです。
おお、Titmouseさんのオススメなら期待できそうですね。さっそく『かはたれ』『たそかれ』も図書館にリクエストしました。